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「みんな、サポートありがとうございます」。ウクライナの首都キーウ(キエフ)出身のニキータ・チュイエンコさん(15)は3月、日本語で支援者たちにあいさつした。横浜市の高校を受験して合格し、母インナさん(37)とともに感謝の気持ちを伝えたいと、ささやかな食事会を開いたのだ。テーブルにはインナさんが作ったじゃがいもたっぷりのウクライナ料理が並ぶ。「おめでとう。がんばって」と身元保証人の家族らから、祝福の声をかけられた。
2022年2月にロシアがウクライナに全面侵攻を開始し、ニキータさんは同年4月に日本へ避難した。母と妹の3人で東京や静岡を転々とし、今は横浜市内で暮らしている。数カ月と思っていた避難は2年を迎え、ニキータさんは身長が20センチ近くも伸びた。高校生となり、「裁判官や教員などの仕事に興味があります」と自身が描く未来を語る。
全国心理業連合会(全心連)が今年、全国の避難民約150人を対象にアンケートを実施。その中で「できるだけ長く日本に滞在したい」「ウクライナの状況が落ち着くまでしばらく滞在したい」と答えた人は合わせて6割を超えた。その一方、戦争が長引く中、日本での今後の生活や子育てなど経済的な不安は大きい。母国がどうなるかというストレスに、新たな悩みがのしかかっている。
全心連が運営する「ウクライナ心のケア交流センター ひまわり」では、日本語学習支援などを続けている。担当者は子連れで避難している母親たちにとって、「いつ帰国するか」はとても大きな決断だと指摘する。また、「日本で成長し、進学する子を抱える家族が、自活への道を切り開けるようにするサポートが不可欠な状況が続いている」とも話した。
東京・渋谷の「ひまわり」で日本語学習に励むダニエル・ザホロドニさん(16)も今春、日本の高校に入学した。戦争で祖国を離れる中、国と国が互いに理解を深められるような仕事に興味があると話す。「できれば日本の大学で国際関係を学びたい」【和田大典】
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