自治労山梨のパワハラ 県本部が被害者に謝罪「防止できずおわび」

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女性が勤務していた2019年当時に自治労山梨県本部が入っていたビル。看板が残っていた=甲府市で2022年5月17日、春増翔太撮影 拡大
女性が勤務していた2019年当時に自治労山梨県本部が入っていたビル。看板が残っていた=甲府市で2022年5月17日、春増翔太撮影

 自治労山梨県本部の専従職員だった50代の女性が、在職時の2019年に上司だった中央執行委員長(当時)から受けたパワーハラスメントについて、県本部が12日、女性に面会して謝罪した。自治労は自治体職員らが入る労働組合で、パワハラの根絶を含む労働環境改善のための組織。県本部は当初「県本部は当事者ではない」と主張したが、元委員長らのパワハラを認める司法判断は23年に確定していた。【春増翔太】

 この日、県本部の白倉和也・中央執行委員長が東京都内で女性に面会し「在職中にパワハラがあり、県本部として防止できなかった。深くおわび申し上げる」と謝罪した。白倉氏はパワハラがあった当時の書記長だった。

 女性は職員だった19年に当時の委員長と書記次長からパワハラを受けたとして、退職後の20年に提訴。元書記次長は訴訟中に自らパワハラ行為を認めて和解に転じ、元委員長についても甲府地裁が22年9月、一部の行為がパワハラに当たると認め22万円の支払いを命じた。元委員長は控訴したが、23年2月に東京高裁が棄却し、判決は確定した。

 当初、「パワハラはなかった」「訴訟は個人が対象」という見解だった県本部は、23年1月にパワハラを認めて女性に謝罪文を送り、文中で「面談による直接謝罪」を提示。日程を調整し、12日の面会に至った。

 県本部は23年5月に第三者によるハラスメント相談窓口を設置するなどの対策を始めた。女性は「ハラスメントや過重労働は人の生命を奪いかねない。県本部が労働者を守る側に立ち、ハラスメントに向き合う日が来ることを願う」とのコメントを出した。

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