NHKが22年に立ち上げた脚本開発チーム「WDRプロジェクト」の第1弾ドラマが、10月にスタートすることが19日、分かった。土曜ドラマ「3000万」(10月5日スタート、土曜午後10時)で、安達祐実(42)青木崇高(44)が出演する。

「WDR(ライターズ・ディベロップメント・ルーム)プロジェクト」は脚本開発に特化したチーム。複数の脚本家がアイデアを持ち寄り共同執筆する、海外では一般的なチームによる執筆システムとなる。

プロジェクトでは、応募総数2000以上の中から4人の脚本家を選出。20本のオリジナルドラマを企画し、このほど1本のドラマが誕生した。作品のタイトルは「3000万」で、安達と青木が出演。思わぬアクシデントと出来心をきっかけに、人生が激変してしまう家族を描くサスペンス。同局は「海外ヒットドラマの手法を持ち込み、誰もが余裕のない社会の痛みをえぐり出す!“やみつきになるエンターテインメントドラマ”が誕生します!」としている。

<参加脚本家コメント>

▽弥重早希子氏

WDRプロジェクトという新しい挑戦に参加できたことをとても嬉しく思います。私にとっては初めての連続ドラマの執筆で、ハラハラドキドキの瞬間もありましたが「面白いドラマを作りたい」というシンプルだけど強い思いを同じくした作家チームの皆さん、演出の保坂さんやスタッフの皆さんと一緒に物語を生み出した時間は、とても豊かなものでした。完璧ではないけれど、どこか愛らしい登場人物が繰り広げる物語を、ハラハラドキドキしながら味わっていただけたら嬉しいです。完成作品を楽しみにしています。

◆1987年(昭62)生まれ。大学卒業後にシナリオセンター大阪校、映画美学校脚本コースで脚本を学ぶ。20年「どうした、逃げろ、ちょっとそこまで」が新人シナリオコンクール最終選考選出

▽名嘉友氏美

チームのみんなと物語を作り上げた日々も、完成した脚本も、ハラハラドキドキのジェットコースターの

ようです。この4人でなければ描けなかった、イッキ見したい物語が出来上がったと思います。ドラマの

完成が本当に楽しみです。ぜひたくさんの方にご覧いただけたらと思います。

◆劇団シンクロ少女の主宰。全ての公演で作・演出を務める

▽山口智之氏

「WDRプロジェクトの精神に、大いに共感した」自分がここに飛び込むことを決めたのはひとえにそういう理由で、その精神が素晴らしいキャスト・スタッフ陣の手によって実を結ぼうとしていること、大変うれしく思います。一同、とにかく面白い!と思っていただけるドラマをお届けしたい一心で日々取り組んでおります。皆様、是非その目でお確かめを!

◆1988年(昭63)生まれ。大学卒業後、脚本家の加藤正人、足立紳に師事し、脚本を学ぶ。「ケーキの切れない非行少年たち」、映画「きばいやんせ、私」「こどもしょくどう」「笑いのカイブツ」などの脚本を担当

▽松井周氏

「面白いドラマの脚本をチームでつくる」という目的から1ミリもズレないプロジェクトで、最高の環境で

脚本づくりができたと改めて思っています。ほぼ全シーンを4人でチェックし、どの話にも複数の人のアイディアがふんだんに入っています。より深い領域まで踏み込んで話ができるチームになったと自負しています。この後、キャストやスタッフの皆さまがこの脚本でどんなふうに遊んでくださるか、楽しみです。また、視聴者の皆さまには、少しでも前のめりに、できれば画面に釘付け状態になってくれたらと願っています。よろしくお願いします。

◆1972年(昭47)生まれ。96年俳優として劇団青年団に入団、07年に劇団サンプルを結成。作家・演出家としての活動を本格化させる。11年「自慢の息子」で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。俳優・小説家としても活動する。