松永さん「加害者とも同じ視点持ちたい」 池袋暴走事故遺族一問一答
毎日新聞
2024/4/19 22:11(最終更新 4/19 22:11)
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東京・池袋で高齢者が運転する乗用車が暴走した事故から5年となった19日、妻真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)を亡くした松永拓也さん(37)と、真菜さんの父、上原義教(よしのり)さん(66)が現場近くの慰霊碑を訪れて献花した後、報道陣の取材に応じた。主なやり取りは以下の通り。【加藤昌平、朝比奈由佳】
フェーズ変わった
――今日の日を迎えてどのような気持ちですか。
◆<松永さん>もう5年もたったんだなという気持ちと、まだ5年しかたっていないんだなという気持ちが混在していて不思議な気持ち。2人に会いたいという気持ち、どうやっても拭えない悲しさっていうのは、時間とともに癒えることはあっても、消えることはないんだろうなっていうのは、この5年間生きてきてすごく感じています。
先日、(被害者側の声を刑務所などの職員が聞き取り、加害者に伝える)心情伝達制度を使って質問して、彼(旧通商産業省工業技術院元院長の飯塚幸三受刑者)はこれから、面会とか出所した後の対談に応じてくれると言っています。もちろん個人的に彼に対する悪い感情はゼロであると言ったらうそになります。けれども、私はもう自分にとっても社会にとってもフェーズが変わったと思っています。
私は彼を責め続けることが事故をなくすことにつながるとは思えなくて。悪い感情はもちろんあるけれども、彼と…
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