夏の甲子園、午前と夕方の「2部制」導入 酷暑対策で

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第104回全国高校野球選手権大会の準々決勝で汗を拭う近江の先発・山田=阪神甲子園球場で2022年8月18日、前田梨里子撮影 拡大
第104回全国高校野球選手権大会の準々決勝で汗を拭う近江の先発・山田=阪神甲子園球場で2022年8月18日、前田梨里子撮影

 日本高校野球連盟と朝日新聞社は19日、第106回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、阪神甲子園球場)について、開幕から3日間のみ開始時間を午前と夕方に分ける「2部制」で開催すると発表した。酷暑による熱中症対策で、気温が上がりやすい昼間の時間帯を避けるのが狙い。

 主催者発表によると、開会式のある第1日は第1試合の開始予定時間を30分早め、第2試合は数時間の中断を挟んで午後4時開始とする。第3試合は午後6時半に遅らせる。第2日と第3日の開始予定時間は、第1試合を午前8時、第2試合を午前10時35分とし、第3試合のみ午後5時とする。入場券も午前と夕方の部で分けて販売する。

 1日4試合が行われる第4日以降は従来通りの日程となるが、準決勝と決勝の開始時間を前倒しするなどして暑さ対策を進める。第1~3日が天候不良などにより、第4日以降に順延となった場合は2部制は採用せず、夕方の部の試合は通常の昼間開催となる。

 19日に大阪市内で行われた第106回大会の第2回運営委員会で決定した。日本高野連の井本亘事務局長は「暑さ対策を試行錯誤しながら考えてきた中で一歩目を踏み出さないと何事も見えてこない。一部の日程ではあるが、(2部制を)導入することで次の展開も考えられると思っている」と述べた。↵

 近年では熱中症や脱水症状によって試合中に足がつる選手や、観客が救急搬送されるケースが後を絶たない。昨夏には五回終了時から10分間休憩して体を冷やしたり、水分を補給したりする「クーリングタイム」を初めて導入するなど、主催者は対応を迫られていた。2部制についても2022年7月に将来的な導入の検討を発表し、議論を重ねていた。【長宗拓弥】

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