戦争体験、よりリアルに 「水木しげる記念館」リニューアル 鳥取

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2024年4月20日に再オープンする水木しげる記念館=鳥取県境港市本町で2024年4月17日、渕脇直樹撮影 拡大
2024年4月20日に再オープンする水木しげる記念館=鳥取県境港市本町で2024年4月17日、渕脇直樹撮影

 鳥取県境港市出身の漫画家、水木しげるさん(1922~2015年)の人生と作品を紹介する「水木しげる記念館」(境港市本町)の建て替え工事が完了し、20日に再オープンする。床面積は約1・5倍の約1600平方メートルに拡大。水木さんの戦争体験や原画を紹介するコーナーが設けられた。

 2階展示室は出生から年代順に6章構成で配置。第2章「水木しげると戦争」では南太平洋のニューブリテン島で敵機の爆撃を受けて左腕を負傷し軍医から切断の処置を受け、さらにマラリアに感染し死の淵をさまよったことを作品や戦地からのはがきなどで紹介している。約9分の映像作品「娘に語るお父さんの戦記」も視聴できる。水木さんの長女、原口尚子さんは「(リニューアルでは)戦争の展示に一番力を入れた。今の時代だからこそ戦争を知ってほしい」と話す。

 企画展示室では水木さんの代表作の魅力を原画を通じて紹介する「鬼太郎の誕生―生まれかわる四つの物語」を開催。作品の吹き出し部分には印字したせりふが貼り付けられており、制作過程を知ることができる。原画は約半年おきに入れ替えるという。1階は講演会などに使える多目的ホールとグッズの売店。水木プロなどで構成する「一般社団法人水木しげる記念館管理運営共同事業体」が市の指定管理者として運営する。

 17日に開館を記念する式典があり、水木さんの妻武良布枝さんは水木さんの遺影を手に「言葉にならないほど感謝申し上げます」と謝辞を述べた。

 水木しげる記念館は、まちおこしの拠点施設として市が2003年3月、料亭を改装してオープンし、延べ約430万人が入館した。建て替え工事のため23年3月から休館していた。鉄骨2階建てで工事費約9億円。

 午前9時半~午後5時。無休。一般1000円、中学・高校生500円、小学生300円。前売り券は100円引き。【渕脇直樹】

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