「発見遅ければ溶かされたかも」 1000万円純金茶わん、次々転売

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
日本橋高島屋で開催されていた「大黄金展」から盗まれた純金製の抹茶茶わん=2024年4月15日(警視庁提供)
日本橋高島屋で開催されていた「大黄金展」から盗まれた純金製の抹茶茶わん=2024年4月15日(警視庁提供)

 日本橋高島屋(東京都中央区)の催事場で盗まれた販売価格1040万円の純金製の茶わんは、都内の古物買い取り業者の間で転売されていた。古物商の業界では、金製品は溶かして金塊にして転売し、売却益を得るのが一般的という。茶わんは盗難の4日後に警視庁が見つけたが、捜査関係者は「早く見つけていなければ、溶かされていた可能性もあった」としている。

盗んだ直後に買い取り店へ、180万円で売却

 窃盗容疑で逮捕されたのは江東区の無職、堀江大容疑者(32)。捜査関係者によると、リュックサックを背負った堀江容疑者が江東区の古物買い取り店を訪れたのは、11日午後1時半ごろ。持ち込んだ抹茶茶わんの底には、「純金」と刻印されていた。店員はマイナンバーカードで身元を確認。その場で売買が成立し、現金約180万円を支払ったという。

 その約2時間前、堀江容疑者は高島屋で開催中の展示・販売会「大黄金展」の会場で、茶わんをリュックサックに入れたとされる。店内を30分ほど歩き回った後、地下鉄東西線に乗って移動。自宅近くの木場駅(江東区)で降り、直接買い取り店に向かったとみられる。

「散歩中に偶然」場当たり的な行動か

 木場駅周辺で防犯カメラを調べていた警視庁捜査3課の捜査員は、13日午前10時前、会場から立ち去った人物と服装などが一致する堀江容疑者に目を留めた。応援の捜査員を集め、タクシーや地下鉄で移動する男性を追い、約4時間半後、東京駅近くの新丸の内ビルディング2階の広場で任意同行を求めた。

 堀江容疑者は現金約130万円が入った財布を所持していた。捜査関係者は転売目的で高価な茶わんを狙って盗み出したとみていたが、本人は「散歩中に偶然知って会場に行った。茶わんでお茶を飲もうと思ったが、換金した方がいいと考え直した」などと供述し、場当たり的な行動だった疑いが浮上したという。

 純金茶わんを約180万円で売却したことにも、…

この記事は有料記事です。

残り773文字(全文1571文字)

あわせて読みたい

この記事の筆者

すべて見る

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月