混雑が深刻なフランス新幹線 国鉄が犯した致命的ミスとは

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エクサンプロバンス駅に停車するTGVの車両=仏南部エクサンプロバンスで2024年2月26日、Hans Lucas・ロイター
エクサンプロバンス駅に停車するTGVの車両=仏南部エクサンプロバンスで2024年2月26日、Hans Lucas・ロイター

 フランス国鉄の新幹線に当たる高速列車TGVで、慢性的な混雑が深刻になっている。地球温暖化対策への意識が高まる中、温室効果ガスの排出量が少ない鉄道を選ぶ人が増えているためだ。さらに仏国鉄がかつて下したある決定が、致命的なミスとなって尾を引いている。

 欧州連合(EU)は温暖化対策として鉄道を重視しており、2020年には今後10年間で域内の高速路線を2倍に拡大する目標を立てている。TGVの23年の利用者数は前年比で4%伸長した。

 仏大手紙ウエスト・フランスによると、全席指定のTGVの乗車率は15年の平均64%から22年には75%に上昇し、現在は約80%で推移している。パリと西部ボルドーの区間では平日の昼間でも予約が取れない列車が出るなど、異例の状況となっている。仏国鉄はTGVを利用する予定があった人の15~20%が座席を予約できず、利用を諦めていると推定している。

「車両が足りない」二つの原因

 混雑の大きな理由は「車両が足りない」ことだ。その原因には大きく二つある。

 一つ…

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