「生徒を泣かせてやった」昭和の職員室 「不適切」だった教師その後

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昨年度まで静岡市立大里中学校で校長を務めていた横井利夫さん。「かつて生徒に強い言葉をかけていた」と振り返った=静岡市駿河区の大里中で2024年2月20日午後0時13分、朝比奈由佳撮影
昨年度まで静岡市立大里中学校で校長を務めていた横井利夫さん。「かつて生徒に強い言葉をかけていた」と振り返った=静岡市駿河区の大里中で2024年2月20日午後0時13分、朝比奈由佳撮影

 教職員による暴言や威圧的な指導は子供たちの心を傷付けたり、萎縮させたりする。だが、毎日新聞が都道府県・政令市の全67教育委員会に実施した調査では、教員の不適切な「言動」「行為」「指導」に対する処分基準がない教委は約3割に上っていた。ただ、学校で不適切な指導などが後を絶たない中、教員自らが子供との関わり方を変えようとする動きもある。叱責でなく、「対話型」の指導が解決につながるという。

静岡市の小中学校で「防止」研修会

 静岡市駿河区の市立大里中学校は、近隣小学校2校と合同で開く年4回の教員研修会の中で、2022年8月から教員の不適切な指導の防止を促す時間を設けている。市内では公立小中学校がグループを作って「静岡型小中一貫教育」を進めており、研修会はそのつながりを生かしたものだ。

 研修会を提唱したのは、今年3月まで大里中で校長を務めていた静岡市教育委員会児童生徒支援課の横井利夫さん(61)だ。書籍を通じて学校現場で当たり前のように行われてきた「不適切指導」が、国際的に問題視されている「マルトリートメント」(不適切な養育)にも…

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