済州島「四・三事件」詩人・金時鐘さんが体験語る 東京で20日集会

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詩人の金時鐘さん=2022年4月19日、高尾具成撮影 拡大
詩人の金時鐘さん=2022年4月19日、高尾具成撮影

 米軍政下の1948年、韓国・済州島で発生した「四・三事件」の犠牲者を追悼する集会が20日、東京都荒川区東日暮里5の日暮里サニーホールで開かれる。事件に関わった在日コリアンの詩人、金時鐘(キム・シジョン)さん(95)=奈良県生駒市=が鎮魂の思いを込めて自身の体験を語る。

 四・三事件は、島民らが南北分断などに抗議した民衆蜂起だ。武力弾圧により約3万人が犠牲になったといわれる。この蜂起に加わった金さんは潜伏生活を経て翌49年、父が準備した船で島を脱出して日本に上陸し、大阪にたどり着いたという。

 昨年末、済州島を妻と訪れ、両親の墓参りをした。島内にある「済州4・3平和公園」をめぐり、慰霊塔や平和記念館を訪れた。「四・三事件は同族すべてに及ぶ悲劇だが、地球全体では同様の痛みを経験した大勢の犠牲者がいる」と金さんは言う。

 集会は「済州島四・三事件を考える会・東京」の主催で、当日は済州島出身のオペラ歌手、姜恵明(カン・へミョン)さんらによるコンサートもあり、同事件を題材にした創作オペラ「スニおばさん」のアリア(独唱曲)などを披露する。

 午後5時半開演。問い合わせは新幹社(03・6256・9255)。【明珍美紀】

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