土砂崩れで通行止め「今も岩が……」 愛媛・高知で震度6弱

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地震で石垣が崩落した観光名所「石垣の里」=愛媛県愛南町で2024年4月18日午前11時46分、本社ヘリから加古信志撮影 拡大
地震で石垣が崩落した観光名所「石垣の里」=愛媛県愛南町で2024年4月18日午前11時46分、本社ヘリから加古信志撮影

 17日夜に愛媛、高知両県で最大震度6弱を観測した地震は、地域によって「立っていられなくなり、棚にしがみついた」ほどの揺れだった。地震のため、18日は学校の休校が相次ぎ、この日実施された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)にも影響した。

 高知県宿毛市では、震度6弱を観測した。海岸付近に家がある女性(37)は、津波を恐れて車で高台へ避難した。夫は途中で自宅へ戻ったが、女性は長男(7)、長女(3)と車内で一晩を過ごしたという。「横揺れがとても大きく、体感で20秒程度続いた。こんな地震は初めてでとても怖かった」と話した。

 同じく震度6弱の揺れを記録した愛媛県愛南町。ローソン愛南町平城東店の男性店員(30)は「最初はそれほどでもなかったが、だんだん横揺れが強くなった」と振り返った。

 自宅で横になっていた同町の自営業、小松静功さん(62)は「15秒くらい横に揺れて、少ししてからまた2回ほど揺れた。地面から『ゴオオッ』という音がして、家もカタカタ鳴った」と話した。町によると、観光名所「石垣の里」で石垣10カ所が崩れたという。

 同県大洲市では、市内の11世帯で一時断水した。また、同県宇和島市や愛南町などで水道管破裂や漏水などの報告が複数寄せられているという。

 高知県檮原(ゆすはら)町では落石と倒木で道路が寸断され、松谷地区の5世帯が一時、孤立した。

 地震の影響は教育現場にも及んだ。文部科学省は、18日午後3時時点で愛媛、高知両県の公立学校と私立学校計30校に建物間の接合部分や窓ガラスの破損などの被害が出ていると明らかにした。

 宿毛市の小学校7校、中学校5校と、宇和島市の小学校1校のほか両県の高校2校の計15校が休校、2校が短縮授業の措置をとった。これらの小中学校では、この日に実施された全国学力テストを後日実施することにした。愛媛県西予市の特別支援学校1校は、休校しなかったものの後日実施を決めた。

 地震によって土砂崩れが起きた地域もあった。

 震度5弱だった大洲市肱川町の一部地域では山肌が崩れ、岩や木で道路が塞がり通行止めになっている。近くにある道の駅「清流の里ひじかわ」で働く女性(42)は「今も崩落した場所から岩などが落ちかかっている状況。危なくて通れず怖い。観光客も来るので早く復旧してほしい」と望んだ。

 一方、原子力規制庁や四国電力によると、四電伊方原発(愛媛県伊方町)では今回の地震後、異常は確認されていない。稼働中の3号機は出力が約2%低下したが、運転への影響はないという。発電に使用するタンクの復水系統がバックアップに切り替わった影響。敷地内では最大38ガル(ガルは加速度の単位)の揺れを観測した。【前川雅俊、鶴見泰寿、山中宏之、洪玟香、井川加菜美、斎藤文太郎、高橋由衣】

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