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担当記者は見た!

アスリートにはつかみたい夢が、悔しさであふれた過去があります。担当記者が選手の喜怒哀楽をつづります。

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もし桃田賢斗に「違法賭博」と「交通事故」がなかったら

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ジャパン・オープンでフルセットの末に勝利し、ガッツポーズして喜びを爆発させる桃田賢斗選手=東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで2019年7月26日、喜屋武真之介撮影
ジャパン・オープンでフルセットの末に勝利し、ガッツポーズして喜びを爆発させる桃田賢斗選手=東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで2019年7月26日、喜屋武真之介撮影

 高校生で東日本大震災、世界の頂点に駆け上がる直前に違法賭博で出場停止処分、そして絶頂期の交通事故――。彼ほど波乱に満ち、ドラマのような競技人生を送った選手はいないだろう。

 18日に日本代表からの引退を発表したバドミントン男子シングルス元世界ランキング1位の桃田賢斗選手(29)=NTT東日本=を2016年1月から5年半、取材した。栄光と挫折を繰り返した桃田選手のさまざまな表情を見てきた。不思議と印象に残るのは、苦しげな表情より、どんな時でも楽しそうに羽根を打つ姿だった。

 バドミントン男子の第一人者、桃田賢斗選手を「担当記者は見た!」。2人の記者が喜怒哀楽をつづります。
 もがき苦しんだ元世界1位 桃田賢斗に見た「誇りと輝き」
 本記・代表引退、パリ五輪目指さず 元世界ランク1位
 <写真で振り返る>波乱の競技人生の軌跡

 やんちゃなイメージの強い桃田選手だが、バドミントンに対しては誠実で競技への愛は深かった。

 周囲の関係者に聞くと、幼い頃から休日や練習後も、納得がいくまで羽根を打ち続けたというエピソードに事欠かない。「好きこそ物の上手なれ」を地で行く選手だった。

 同学年で女子シングルス元世界ランキング1位の奥原希望選手(29)=太陽ホールディングス=も当時「桃田選手は代表の中でもバドミントンについて最もよく考えていて、真っすぐに向き合ってくれる」と話し、信頼していた。

 そんな桃田選手だから、2度の苦境を…

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