九州で希望つないだもう一つの日産野球部 父子の思いと葛藤と…
毎日新聞
2024/4/18 07:00(最終更新 4/25 18:55)
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ユニホームの胸に刻まれた「NISSAN」の6文字は父と同じ。そして600人もの社員の応援を目の当たりにし、野球を引退するか、現役を続けるかで悩み、葛藤した日々を思い出していた。
「クラブチームの時は社員の方がどれだけ応援してくれているかも分からなかったので、壮行会は緊張しました。平日にこんなに練習できることはないので、10年分の筋肉痛がきている。みなさんが仕事をしている間に野球をやらせてもらっていることに感謝しています」
今季から日産自動車九州の野球部(福岡県苅田町)が15年ぶりに活動を再開し、2月の壮行会で選手たちはスティックバルーンをたたく社員に出迎えられた。30人の選手のうち、選手専任では最年長の末石竜也選手(28)はクラブチームから企業チームへと様変わりした瞬間に立ち会い、気持ちを新たにした。
10年前、復活のうわさ信じ
1985年に創部した日産九州は、社会人野球の「2大大会」となる都市対抗に6回、日本選手権に9回出場し、ともに最高成績はベスト8の強豪チームだった。しかし業績悪化に伴う経費削減の一環で2009年限りで休部した。
25年から活動を再開する日産野球部(神奈川県横須賀市)はこの間、休眠状態が続いていたが、日産九州は10年から元選手を主体としたクラブチーム「苅田ビクトリーズベースボールクラブ」(後の苅田ビクトリーズ)を結成し、活動再開に向けて野球への希望をともし続けてきた。
末石選手は福岡・西日本短大付高から14年にビクトリーズに入った。大学進学も考えたが、「2、3年後には企業チームになるといううわさがあったから」。早期の再開を信じて入部したが、仕事が優先のクラブチームの現実は甘くなかった…
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