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異次元との決別

日銀が異次元の金融緩和策を転換する節目を迎えています。過去からの「決別」といえる状況で、日銀やその周辺の動きに迫ります。

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異次元との決別

需要の力だけで2%超えれば本物 安倍元首相ブレーン・本田悦朗氏

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インタビューに答える本田悦朗氏=東京都港区で2024年3月18日、宮本明登撮影
インタビューに答える本田悦朗氏=東京都港区で2024年3月18日、宮本明登撮影

 日銀が3月に解除したマイナス金利政策は、安倍晋三政権(当時)のもとで2013年に始まった経済政策アベノミクスの「第一の矢」の一環だった。安倍氏の側近で政策ブレーンを担った元内閣官房参与の本田悦朗氏は、日銀の政策転換をどう見ているのか。

春闘結果の見極め必要だった

 ――日銀が16年に導入したマイナス金利の解除をどう評価しますか。

 ◆時期尚早だったと思う。日銀は年2%の物価上昇目標の実現が「見通せる状況になった」と理由を説明するが、根拠が不十分だ。今は輸入価格の上昇で消費も弱く、決して景気がいい状態ではない。日銀が大きな判断材料にした春闘の賃上げ率は5%超といい数字ではあるが、あくまで中間集計の段階だ。中小企業を含め今後の最終集計を見る必要がある。できれば来年の春闘の結果を待ちたかった。

 さらに17年ぶりの利上げという重要な転換点となる政策変更をする際は、経済の現状分析をまとめたリポートなどを世に示した上で、金利をどうするか議論するのがまっとうな手法だ。なんとなく機が熟したかのようにマイナス金利をやめてはいけなかった。

賃金上昇からの物価上昇は未…

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