日本テレビ系「笑点」(日曜午後5時30分)の大喜利新メンバーに新加入した、落語家の立川晴の輔(51)が、17日までに日刊スポーツなどの取材に応じた。主な一問一答は、以下の通り。

-収録が始まった。今の率直な思いは

晴の輔 憧れのところに自分が座っていることが、まだ信じられないのでフワフワしています。先輩達に埋もれちゃうんじゃないかという恐怖で、いっぱい、いっぱい。(7日に日本テレビ系で放送された)1回目の収録は、本当に緊張したんですよ。放送が終わった後「真相報道バンキシャ!」(日曜午後6時)の生放送に出させてもらって「バンキシャ!」の方が自然だという(ファンからの)反響がありました。(自分の独演会の)お客さまが、やっと…というのを含めメール、LINE、ショートメールが1000件…いや900くらいきました。

-新加入までの経緯を

晴の輔 (BS日テレ「笑点 特大号」(火曜午後8時)の)「若手大喜利」を(13年の真打ち昇進から)ずっとやっていた。(だからといって、レギュラー大喜利に)行けるかどうかは本当に分からない。気づいたら50歳…使ってくださった「特大号」のスタッフに本当に感謝。半年ほど前に「特大号のことでお話を聞きたいから」と呼ばれまして。喫茶店か、どこか行くのかなと思ったら、エレベーターでずいぶん上の方まで行くなぁと思い。入ったら扉が重々しい部屋で、偉い方がいらっしゃって…刑事さんが5人くらいいるような形で「実は」と…。

-正式発表前に漏れたら「白紙」。昨夏に打診を受けてから、ここまで露見しないようにするのは大変だったのでは?

晴の輔 仕事は選びました。(『笑点』新メンバーの件を)聞かれそうなのは、会わないのが1番なので。探りのような飲みの誘いも「ごめん」と断った。2、3月は仕事が意外と少なくて…今も始まったばかりで入っていないので、貧乏なんですよ。

-師匠の立川志の輔(70)に報告した経緯

晴の輔 (伝えたのは)収録の10日前くらいですかね。直接、会って報告したかった。弟弟子に聞いて(電話が)1番、つながりそうな夜に連絡した。「会わなきゃダメなのか?」と言うので、言うしかない。「実は、木久扇師匠の代わりを私がやらせていただくことになりました」と言ったら、電話の向こうで「おぉ~それは、良かったぁ」と言ったんですよ。今まで聞いたことのない、師匠の高音を聞いたんです。アドバイス、行動…全てが重低音ですので、初めての師匠の音域を聞いた。一番弟子なので、これは本当に喜んでくれていると、音で分かりました。入門して27年なんですけど…初めて師匠が僕のことで喜んでくれたと思います。

-11日にXに「昨日、師匠志の輔と一緒に、家元立川談志のお墓参りへ行ってきました」と投稿した。談志さんの墓参に言った際、師匠・志の輔はどんな様子だった?

晴の輔 師匠から電話があり「お墓参りに行こうと思う」と。そこで、私が何を言うかなんですよ。「私も同行させてください」「空いているのか?」「ぜひ、行かせて下さい」と。師匠と2人で(談志さんの墓前に)手を合わせた時は、師匠が僕のために手を合わせてくださっている…それは、うれしかったですね。師匠が目を開けて、何かをお墓に向かって語りかけている感じだったんですよ。何を言っているかは、分からないです。見たことがない師匠の優しい顔だったので、本当に泣きそうになりましたね。

-東京・江戸落語界に分かれている4つの団体、落語協会、落語芸術協会、落語立川流(立川流)、五代目円楽一門会(円楽党)の、全ての落語家がそろう史上初の構成となった。大きな任を担う

晴の輔 あまり意識したくないですね、そこは。立川流も背負っているとなっている感じなので…もちろん、その責任はあると思います。まず、大喜利メンバーのレギュラーになって、すごさを感じるんですよ。林家木久扇師匠は、86歳でこれを毎週やっていたんですよ。僕は51歳で若いですけど、1回でヘトヘトですよ。すごいですね。今は、木久扇師匠のエネルギーって、これなのかと思うくらいですよ。それを見せないところが、格好良いんだと今、感じますね。

-立川流の厳しい上下関係を、ネタにしていたが

晴の輔 立川流の中でも、家元が存命の時は家元の厳しさが中心。うちの師匠と談春師匠は、家元の教え…厳しいと言うと、師匠に怒られる。とても愛情が深めで“上質な苦労”をさせていただきます。その時は、つらいんですよ。ところが7年後くらいに、エピソードがネタに変わっていくんですよ、本当に。談志の教えが「弟子は徹底的に不快にする。嫌なら辞めちまえ、それか抜けていけ」ですから。格好いいのが、辞めた弟子がよそに行った時に「取りあえず、世間に通用するようには育てています」と言うんですよ。教えるって、こういうことなんだなとすごく感じました。

-初代司会者だった家元・談志さんを収録中に感じたことはあるか?

晴の輔 大喜利を家元が見て、何と言っているか…まぁ「うまくやれ」と言ってくださっているような気がしますね。全部、教え方が抽象的なんですよ。最終的には「うまくやっておけ」「俺を不快にするな」というのが答え。僕も、師匠から「うまくやれ」と教わりましたので。100点満点を取れ、という意味ではないと思うんですけど。

-「笑点」に出演することで落語も成長できるのでは?

晴の輔 もちろん、落語が、これによって向上する…大喜利って言っても、生のライブじゃないですか? 皆さんの持っている間が、すごいんですよ。間が良くなるというのは、とても落語にとって、とてもプラスなので、大喜利から吸収することは、絶対にあると思う。