袴田事件再審 「5点の衣類」の血痕巡り争う 第13回公判

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静岡地裁に入る袴田巌さんの姉の秀子さんと弁護団ら=静岡市葵区追手町で2024年4月17日午前10時18分、丘絢太撮影 拡大
静岡地裁に入る袴田巌さんの姉の秀子さんと弁護団ら=静岡市葵区追手町で2024年4月17日午前10時18分、丘絢太撮影

 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして、強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌さん(88)のやり直しの裁判(再審)の第13回公判が17日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。袴田さんが犯行時に身につけていたとされる「5点の衣類」に付着した血痕などのDNA型鑑定の結果をもとに、弁護団は「袴田さんの犯行着衣ではない」と主張した。

 弁護側はこれまでに実施してきたDNA型鑑定をもとに、衣類の一つである白半袖シャツに付着した血痕が袴田さんのDNA型と一致しないと指摘し、「証拠が捏造(ねつぞう)された可能性が高く、袴田さんの無罪は明らか」と訴えた。

 一方で、検察側は5点の衣類が1年2カ月間にわたりみそ漬けされたことにより、血痕のDNAが分解されている可能性が高い点などを挙げた。「犯行着衣であることを否定することにはならず、(弁護側の鑑定が)信用できるものではない」と反論した。

 最高裁は2020年に18年の高裁決定と同じく、証拠が劣化している可能性が高い点などを考慮し、「個人を識別する証拠価値はない」と結論付け、弁護側の鑑定結果の信用性を認めなかった。【丘絢太】

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