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「ストレス」が原因で「血圧」が高い人の特徴はご存知ですか?下げる方法も解説!

 公開日:2024/04/17
「ストレス」が原因で「血圧」が高い人の特徴はご存知ですか?下げる方法も解説!

ストレスで血圧が上がる?Medical DOC監修医がストレスによる影響や高血圧で気をつけたい病気、予防のための対処法などを解説します。

伊藤 陽子

監修医師
伊藤 陽子(医師)

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浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

ストレスと血圧の関係とは?

「イライラすると血圧が上がる」という話はよく聞きますが、これは本当です。
ストレスを感じると自律神経のはたらきで血圧が上がりやすくなります。しかし、ストレスが原因の高血圧は専門的な血圧測定を行わない限り、なかなか認知できません。
診察室での血圧140/90mmHg以上(家庭血圧で135/85mmHg以上)が高血圧の診断基準です。また、血圧120/80mmHg(家庭血圧115/75mmHg)以下が正常値です。これ以上の数値が続く場合、境界域であっても脳心血管病(脳卒中や狭心症、心筋梗塞など)の発症が多くなるとされ、注意が必要です。
なぜストレスで血圧が上がるのでしょうか。どのような対処法があるか、どこの科を受診すれば良いかなどをご紹介します。

ストレスと血圧は関係あるの?

人体は24時間絶え間なく呼吸し、心臓を動かし、体温調整をしています。時間が経てば空腹になり、喉が渇きます。
これらの無意識で行うはたらきは、自律神経という神経が調整しています。自律神経は運動神経と異なり、自分の意思で直接動かすことはできません。
自律神経は興奮したときに優位になる「交感神経」と、リラックスしたときに優位になる「副交感神経」があります。交感神経と副交感神経はシーソーのような関係で、どちらかが優位だと片方は活動しません。
ストレスがあると、人体は交感神経が優位になります。

ストレスで血圧が上昇する原因は何?

交感神経が優位になる状態は「戦う」時です。目の前にいる凶暴な敵が、今にも襲い掛かる、という時には人体はどのようになるでしょう。
血管は細く縮み、ケガをしても血が流れにくくします。心臓は心拍数が増え、応戦で激しく動いても細胞が酸素不足にならないように備えます。この結果、血圧は上昇します。
ストレスで血圧が上昇するのは、無意識に「目の前に敵(または、厄介なこと)がいる」と判断し、身体が反応するからです。
仕事や悩みなど、ストレスの原因が一時的にでも去れば、血圧は下がることがあります。
しかし、ストレスを抱え続けると、いつまでも血圧が下がらず高血圧のまま維持されがちです。さらに肥満や塩分の過剰摂取、寝不足など生活習慣病が加わると、心筋梗塞などの引き金になりかねません。
仕事上のトラブル、対人関係、日常の悩み事などはありふれた問題です。常にストレスに囲まれて、交感神経が刺激され続けていることが血圧を上昇させる原因です。

ストレスが原因で血圧が高い人の特徴

ストレスが原因で血圧が急上昇しやすい人は、完璧主義でリラックスをすることが苦手な傾向があります。競争心が強い、いつも忙しい方もリスクがあります。
肥満や運動不足など生活習慣病と異なり、仕事中や昼間などストレスが高い環境にいるときだけ血圧が高いことも特徴です。
そのため通常の血圧測定では正しく判定できないことがあり、仮面高血圧と呼ばれることがあります。

職場のストレス

普段は正常なのに、仕事中だけ血圧が上がることがあります。これは「職場高血圧」という症状で、きちんと対策をしなければ脳梗塞など致命的な症状を引き起こす原因になります。
職場高血圧は肥満、家族に高血圧の方がいる方が発症しやすい傾向があります。
職場高血圧を診断するには、職場で血圧を測ることが不可欠です。事業者が血圧計を用意するか、ご自身で血圧計を持ち込んで血圧測定を行いましょう。

昼間高血圧

起きて活動する昼間は、健康な方でも交感神経が優位になります。血圧も適度に上がらなければ、とても活動できません。
しかし、昼間に過剰に高血圧になることがあります。昼間だけ高血圧になることを「昼間高血圧」と呼び、職場高血圧は昼間高血圧の一種です。
昼間高血圧は職場ストレスが多い方、夜勤が続く方に発症しやすいのが特徴です。副交感神経が優位になる夜に働き、交感神経が優位になる昼に眠ると、昼勤よりも自律神経の調整機能が乱れがちになります。夜勤がある方は、念のため仕事中や昼間の血圧を測ってみましょう。
昼間高血圧は、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)という装置を一日中つけて、血圧の変化を観察する精密検査もあります。ABPMの検査を行えるクリニックもあります。相談をしてみましょう。

医療ストレス

病院が苦手な方、慣れていない方は、病院で血圧を測ると異常に高い数値になることがあります。ふだんは低い血圧なのに、高血圧と誤診されるおそれがあります。
医師や看護師の白衣を見るだけで緊張し、血圧が上がることを「白衣高血圧」と呼び、これもストレスが原因の高血圧です。他のストレス性高血圧と異なり、病院だけで血圧が上がってしまい、正確な数値が測れないのが特徴です。
自宅で血圧計を購入し、自宅で血圧を計測することで正確な数値を測ることができます。

血圧が高い人がかかりやすい病気・疾患

血圧が高い人は、脳卒中や心筋梗塞など、深刻な病気が起こるリスクが急上昇します。
働き詰めの方がある日突然職場で倒れ、帰らぬ人に…という悲劇は、決して珍しいことではありません。
ストレスだから仕方ないと放置せず、早めに受診と治療、高血圧の改善対策を行いましょう。

脳卒中

脳卒中は脳の血管が詰まる、または破れる病気の総称です。
日本人の死亡原因4位で、発症すると死亡、重度の障害を負うことも珍しくありません。
脳卒中にはさまざまな種類がありますが、高血圧の方に多い症状は脳出血とラクナ梗塞です。アテローム血栓性脳梗塞は高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が合併することで発症しやすくなります。
脳出血は、文字通り脳内の血管が破れて出血することです。出血した部位の脳は死滅するため、命が助かっても重い後遺症を残すことは珍しくありません。
ラクナ梗塞とは、脳の細い血管が詰まり、周囲の小さな範囲が壊死する脳梗塞の一種です。脳梗塞の中では比較的軽症ですが、半身のしびれ、運動麻痺、喋りにくいなどの症状が出ることがあります。
アテローム血栓性脳梗塞は、脳の大きな血管や首の血管が動脈硬化により細くなり、詰まってしまうことにより生じる脳梗塞です。詰まった場所により力が入らない、半身が動かない、ろれつが回らないなどの症状がみられ、段階的に症状が進行することもあります。
これらの病気は高血圧を下げる対策、治療で血圧をコントロールすることで発症を予防することができます。

心不全

心臓のはたらきが悪くなる心不全も、高血圧が原因の一つです。
心不全になると血流が流れにくくなり、動悸、息切れ、むくみ、おしっこが出ないなど、さまざまな症状を引き起こします。
ヒトの心臓は、全身から戻ってきた血液を肺に送り出し、肺から戻った血液を全身に送りだしています。心臓の右心室が心不全を起こすと肺への血流が滞り、息苦しさを感じます。左心室に心不全が発症すると、全身に送りだす力が弱まり、血圧が低くなったり、疲れやすい、動悸などの症状が起こります。また、血液がうっ滞することで全身にむくみが生じます。思い当たる症状があれば、ただちに循環器内科を受診しましょう。

慢性腎臓病

腎臓には毛細血管がたくさん張り巡らされ、血液が流れています。腎臓は血液から余分な水分や老廃物を取り除いて体内に戻す働きがあるからです。高血圧を放置すると腎臓の血管にも負荷がかかり、慢性腎臓病を引き起こします。慢性腎臓病は日本で約1330万人もの患者がいると言われ、高血圧が原因で悪化します。放置すると腎不全で透析が必要になり、心筋梗塞や脳卒中など循環器疾患のリスクを引き上げます。
症状が悪化するまで自覚症状があまり出ないのが特徴です。健康診断で蛋白尿や血尿が出たら、すぐに腎臓内科で精密検査を受けて下さい。腎臓は一度悪化すると改善しませんが、悪化を遅らせることはできます。

冠動脈疾患(虚血性心疾患・心筋梗塞など)

冠動脈は、心臓に酸素と栄養を運ぶ血管です。大動脈から枝分かれした太い血管で、心臓に網のように取り巻いています。
高血圧を放置すると、この冠動脈にも動脈硬化が進行し、冠動脈疾患の発症の危険性が高まります。120/75mmHg以上で冠動脈疾患による死亡のリスクが上昇するとの報告があります。このため日本では75歳未満では130/80mmHg未満を降圧目標としています。
メタボリックシンドローム、糖尿病などの症状や喫煙の習慣が合併すれば、さらに動脈硬化は進行します。
冠動脈が狭くなり、心臓に十分な酸素と栄養が運べなくなる「狭心症」、完全に冠動脈が詰まり、心臓の一部が壊死する「心筋梗塞」などが動脈硬化の進行で起こります。
自覚症状はさまざまで、運動や強いストレスを感じると激しい胸の痛みに襲われる、左腕や背中の痛みや圧迫感、歯痛の症状が出ることもあります。これらの症状が起きたら、放置せず循環器内科を受診して治療を受けましょう。

ストレスが原因で上がった高血圧を下げることはできるの?

ストレス性高血圧は、生活習慣である程度抑えることができます。適正体重までの減量、禁煙、減塩、十分な睡眠、適度な運動などが高血圧を下げますが、まずは手軽でどこでもできる「呼吸法」を紹介します。

ストレスが原因で上がった高血圧を下げる方法

いちばん簡単なストレス緩和法は「しっかり息を吐く」ことです。
緊張すると息が吐き切れず、ますます身体が緊張してしまいます。息を吐くのは、その悪循環を断つ効果があります。
息を吐くと副交感神経が優位になり、交感神経が引っ込みます。自律神経を直接触ることはできませんが、呼吸を介してある程度調整することができます。
意識しないと気づきにくいですが、ストレスで頭がいっぱいになると息がしにくくなります。まずは意識をストレスの元でなく、自分の呼吸に合わせましょう。
それから下腹部に優しく手を当て、ゆっくりと、限界まで息を吐き切ります。「ゆっくり吐く」のが大事で、力を込めて吐くとかえってストレスが上がります。
ゆっくり吐き切ったらお腹の緊張をゆるめると、自然と息を吸い込みます。これを繰り返すと体の緊張がほぐれ、やがて血圧も下がるでしょう。
ヨガなど、呼吸法を重視した運動をすることもストレス緩和に役立つでしょう。

「ストレスで血圧」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレスと血圧」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

過剰なストレスは高血圧の原因になるのでしょうか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

なります。ストレスを受けると交感神経が優位になるので、血管が細くなり心拍が上がります。この2つの作用で血圧が上がり、高血圧を引き起こします。

ストレスで血圧が上昇することと寝不足は関係ありますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

寝不足は副交感神経がうまく働かず、交感神経が優位な状態になります。交感神経は覚醒作用があり、神経がストレスで高ぶったままだと寝不足になります。このままでは悪循環でますます体調を崩してしまうでしょう。

ストレスで血圧が上昇すると動悸がしますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

ストレスに限らず、血圧が急上昇すると動悸、めまいなどが起こることがあります。動悸が収まらない、何度も続く場合は放置せず、できるだけ早めに病院を受診して下さい。

ストレスで血圧が上昇し、頭痛がする時はどうすればいいですか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

頭痛の痛みがそれほど強くない時は座って目を閉じ、お腹の底からゆっくり息を吐いてみましょう。徐々に落ち着いたら無理せず、安静に過ごしましょう。収縮期血圧200mmHg以上など急激な血圧の上昇に伴い、頭痛などの自覚症状がある場合には臓器の障害がなくとも降圧剤を用いて治療をすることもあります。血圧が上昇し、症状が伴う場合には病院を受診しましょう。
何度も血圧上昇と頭痛を繰り返す時は早めに医療機関にご相談下さい。
激しい頭痛の場合は脳卒中の可能性があります。脳卒中の救急搬送は一刻を争います。頭痛が軽くても顔の片側がだらりと下がる、言葉がうまく喋れない、身体の片側だけうまく動かせない、痺れる場合は脳卒中の可能性が非常に高いです。手遅れになると重度の障害や命を落とすことがあるため、これらの症状がある時は、すぐに救急を呼んで下さい。

日頃のストレスを抱えていて血圧も高い場合何科の病院で相談できますか?

伊藤 陽子医師伊藤 陽子(医師)

一般的に高血圧の診療は、内科、循環器科が行います。ストレスが主な原因だと感じる場合は心療内科、精神科でも相談できます。
一人で悩まず、医療の力も借りて改善していきましょう。

まとめ ストレスによる高血圧に注意!

ストレスは誰にでもあるものです。ストレスが原因の高血圧は珍しくありませんが、放置すると命や人生にかかわる大きな病気を引き起こします。
ストレスを感じて頭痛、めまいなどが起こるなら、高血圧がかなり進んでいる可能性があります。健康診断で異常がなくても、高血圧が隠れていることは珍しくありません。早めに医療機関への受診をおすすめします。そして、血圧が高い状態が持続する場合には、医師の指示に従い必要であれば降圧薬の内服を検討しましょう。
健康診断で高血圧と診断されたなら内科か循環器科へ、ストレスが耐えられないと感じるなら心療内科などを受診し、適切な治療を行いましょう。職場環境の改善や、配置換えなど過剰なストレスから遠ざかることも必要です。

「ストレスと血圧」の異常で考えられる病気

「ストレスで血圧」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

腎泌尿器科系の病気

ストレスは交感神経を優位にして、高血圧を引き起こします。高血圧は血管にダメージを与え、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こします。細い血管が多い腎臓にも慢性腎臓病のリスクを高めます。ストレスは誰にでもあるものですが、不調を伴う時には血圧が上がっているのかもしれません。自分で血圧を測ってみるか、内科を受診してみましょう。

この記事の監修医師