米中国防相、1年5カ月ぶりに直接協議 衝突回避へ対話継続を確認

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米国のオースティン国防長官=AP 拡大
米国のオースティン国防長官=AP

 米国のオースティン国防長官と中国の董軍国防相は16日、テレビ電話で協議した。南シナ海での緊張が高まる中、衝突を回避するために軍同士の意思疎通を継続する重要性を確認した。国防相による直接協議は2022年11月に対面で実施して以来1年5カ月ぶり。

 南シナ海ではアユンギン礁(英語名セカンドトーマス礁)を巡り中国船がフィリピン船に放水などを繰り返し、米国は懸念を強めている。米国防総省によると、オースティン氏は南シナ海における航行の自由の尊重を求めた。台湾問題についても「平和と安定の重要性」を強調した。

 また、弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮の挑発に懸念を示したほか、ロシアによるウクライナ侵攻についても話し合った。

 中国国防省によると、董氏は「軍事領域(の意思疎通)は両国関係の発展を安定させ、重大な危機の発生を防ぐ鍵となる」と対話の重要性を強調した。

 台湾問題については「中国の核心的利益の中の核心だ」と主張。南シナ海問題も「現在の状況はおおむね安定しており、この地域の国々は問題を解決する意志と知恵と能力がある」と述べ、「米国は地域の平和と両国・両軍関係の安定を守るための行動をとるべきだ」とけん制した。

 オースティン氏が昨年12月に就任した董氏と協議するのは初めて。バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は23年11月の首脳会談で国防当局間などの対話再開で合意していた。

 首脳会談以降、双方の対話再開は本格化している。3~4日には、米中の軍当局者が海洋の安全保障を議論する「軍事海洋協議協定」(MMCA)に基づく作業部会を2年4カ月ぶりに開催した。【ワシントン松井聡、北京・岡崎英遠】

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