阪神先発の村上頌樹投手(25)が、7回1失点の奮闘でドローに貢献した。

「なかなか相手がいい投手なので、点をとれないのは分かっていた。自分が粘って勝ちに近づけるようにと投げました」

3回、投手の山崎伊に痛恨の先制適時打を浴びた。だがその後はしっかり立て直し、スコアボードに0を並べた。1点ビハインドのまま、7回2死一、三塁で再び山崎伊と対戦。投手に2度も打たれるわけにはいかない。簡単に追い込むと3球目も高めの149キロ直球で空振りに仕留め、今季の阪神投手陣では一番乗りの10奪三振をマークした。自身もチームも鼓舞するように、拳を握ってほえた。

「もともと(山崎伊が)打撃がいいのは分かっていた。打たれてしまったので、2点目をまた投手に打たれるのはダメ。しっかり抑えると気合を入れました」

山崎伊は東洋大時代、大学ジャパンでも共闘した同学年右腕。意地と意地がぶつかる投手戦になった。

昨季、巨人戦は2試合計13回で自責点0。シーズン初先発した4月12日は、7回パーフェクトの快投も披露するなど好相性を誇る。この日は16イニング目でプロ初の自責点を喫したが、山崎伊を三振に斬って降板した直後の7回に糸原が同点犠飛。負けも消え、巨人戦20回自責1のキラーぶりも継続した。

4番を完ぺきに抑えていることも大きい。智弁学園(奈良)の2学年上にあたる岡本和は3打数無安打に封じた。昨季からの対戦成績はこれで7打数無安打だ。「大事なバッターですし、打たれてしまったら向こうの勢いがつくと思っていたので。しっかり岡本さんを抑えられてよかったと思います」。打率、打点、本塁打の3部門でリーグトップを走る先輩のキラーと化している。

今季は初先発したホーム開幕の2日DeNA戦(京セラドーム大阪)で3回5失点を喫したものの、2戦目以降は修正。3試合の防御率は1・06と昨季のMVP右腕が安定感を取り戻している。虎の新火曜日の男が週頭の好投を続け、チームを波に乗せる。【波部俊之介】

【関連記事】阪神ニュース一覧