FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 三大疾病
  4. がん
  5. 「乳がんのセルフチェック法」はご存知ですか?乳がんができやすい部位も解説!

「乳がんのセルフチェック法」はご存知ですか?乳がんができやすい部位も解説!

 公開日:2024/04/16
「乳がんのセルフチェック法」はご存知ですか?乳がんができやすい部位も解説!

さまざまな女性特有の病気や症状に悩まされている方も少なくないでしょう。忙しかったり相談しにくかったりすると、発見が遅れてしまうケースが多々あります。

特に多くの女性が心配になる病気が乳がんです。9人に1人の割合で乳がんを発症するとされています。

発症リスクが高い乳がんですが、初期段階で治療できれば約90%の確率で治癒が可能な病気です。では、乳がんを早期発見するためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

本記事では、乳がんのセルフチェックと自己検診の重要性や方法を詳しく解説します。

乳がんから身を守りたいと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

乳がんとは

乳がんのセルフチェック方法の前に、まずは乳がんがどのような病気なのか説明します。

  • 乳がんの症状
  • 乳がんの原因
  • 乳がんができやすい部位

上記の項目に分けて、それぞれ解説しましょう。

乳がんの症状

乳がんを早期発見するうえで、乳がんの症状を知っておくことは重要です。ほとんどの方はしこりがあれば乳がんを疑うはずです。しかし、乳がんにはしこり以外にも症状があります。

  • ひくつき
  • くぼみ
  • ただれ
  • かゆみ
  • 乳首からの分泌物

上記のなかでも、しこりと乳首からの分泌物は乳がんを疑いやすい症状です。乳首を軽くつまんで、血液を含んだような分泌物がみられるようであれば病院へ受診しましょう。ほかにも、くぼみやかゆみなどもほかの病気の可能性が懸念されるため注意が必要です。

乳がんの原因

乳がんの発症原因はいまだ解明されていません。しかし、乳がんのリスクとなりえる原因はいくつか考えられます。

  • 初経年齢が早い
  • 閉経年齢が遅い
  • 出産歴がない
  • 初産年齢が遅い
  • 授乳歴がない
  • 閉経後の肥満
  • 飲酒習慣
  • 一親等の乳がんの家族歴
  • 良性乳腺疾患の既往歴

上記に該当する方は、乳がんのリスクが高まるため検診の受診をおすすめします。
なぜこれらが乳がんのリスクを高めるかというと、乳がんの発生と増殖には女性ホルモンであるエストロゲンが関連しているからです。上記の乳がんの原因は、ほとんどが体内のエストロゲンレベルに影響を与えるものです。
自身ではどうしようもない月経によって乳がんのリスクが高まることもあるため、注意するに越したことはないでしょう。

乳がんができやすい部位

乳房にはさまざまな部位がありますが、乳がんを発症しやすいのは乳管です。母乳を運ぶ役割を持つ部位のため、授乳期間中に違和感を覚える方もいらっしゃいます。
違和感を覚えて焦ってしまわないよう、普段から乳がんのセルフチェックを行い、早期発見に努めることが大切です。

乳がんはセルフチェックで早期発見を目指そう

乳がんはセルフチェックで早期発見を目指すよう推奨されています。これは以下の理由があるからです。

  • 乳がんは女性がかかりやすいがん
  • 早期発見・早期治療でその後の生存率が高まる

それぞれの理由を詳しくみていきましょう。

乳がんは女性がかかりやすいがん

前述しているとおり、女性の内9人に1人の割合で乳がんを発症するといわれています。また、女性特有のがんに含まれる子宮がんの死亡率は年々減少しているのに対して、乳がんの発生率・死亡率は増加傾向にあることをご存知でしょうか。
さらに、女性特有のがんの死亡率第1位が乳がんです。特に、30代後半以降の女性がなりやすいとされています。
注目してほしいのは、30代後半が発症しやすいところです。なぜなら、仕事・子育て・家事に忙しい年代のため、発見が遅れたり自身の健康診断を後回しにしたりする傾向にあります。
早期発見・早期治療に努めることが大切です。

早期発見・早期治療でその後の生存率が高まる

前述しましたが、乳がんは早期発見・早期治療に努めるよう提唱されています。なぜなら、初期段階で治療できれば約90%の確率で治癒が可能な病気だからです。
そのため、忙しい日々を送っているなかで発症リスクが高まるからこそ、日常生活のなかでセルフチェックを行うことが重要となります。セルフチェックといっても、簡単にできるものばかりなのでぜひ生活習慣に取り入れてみましょう。

乳がんのセルフチェックの方法

それでは、乳がんを早期発見・早期治療につなげるためのセルフチェックの方法を解説していきます。チェックする内容は4つです。
お風呂や睡眠前に1〜3分程でできるものばかりなので、習慣にしてみましょう。

鏡の前で乳房の色や形をチェック

1つ目は鏡の前で乳房の色や形をチェックすることです。チェックする時は、以下の内容を意識してみてください。

  • 表目のくぼみ
  • 左右差
  • 大きさの把握

上記をチェックする際は、月経の周期を意識するようにしましょう。
月経前や月経中は乳房がハリやすくなるため大きさが変化する場合があります。また妊娠・出産すると、色や形が変化しやすいため注意が必要です。毎日セルフチェックを行うことで、月経周期での乳房の変化を把握しやすくなります。

仰向けになってしこりがないかチェック

2つ目はしこりのチェックです。乳房の外側にしこりがないかをチェックする時は、仰向けになって「の」の字を書くようにしましょう。この時、ボディークリームやオイルなどを使って滑りをよくしてチェックするのがおすすめです。
乳房の外側から乳房全体にかけてゆっくり触るのがコツになります。こりこり・ごりっと硬い・しこりの中心に硬い芯がある場合には、乳がんの可能性が高い状態です。脇の下にしこりが発生する場合もあるため、外側の脇の下から乳房ラインまで広い範囲をチェックするよう留意しましょう。

触ってみて乳房表面の異常をチェック

3つ目は乳房の表面チェックです。具体的には盛り上がり・発赤・浮腫などがないかチェックします。見ただけでは判断できないこともあるため、以下の症状がないかもチェックしてみましょう。

  • 平滑かザラザラと不規則か
  • 温度
  • 痛み

乳がんを発症している場合には、発生箇所の温度が平手触診でジワッと熱っぽさを感じることがあります。炎症していると、発赤と痛みを伴う場合もあるため注意が必要です。

つまんでみて分泌物をチェック

4つ目は分泌物チェックです。基本的に健康であれば分泌物は出ません。しかし、分泌物が出た場合には色に注目する必要があります。

  • 白色
  • 黄色
  • 透明
  • 混濁
  • 赤色

上記のように分泌物といってもさまざまな色味があります。乳頭からの分泌物で、特に注意するべきなのは血が混じったような赤色です。
分泌物が赤色であった場合は、乳がんの可能性が高くなります。赤色の分泌物を確認した際には、すみやかに病院へ受診しましょう。

変化に気付いたらすぐに受診しよう

セルフチェックを習慣にすると、異変にいち早く気付けるようになるでしょう。もし、乳房の変化に気付いた場合には、すぐに病院へ受診することをおすすめします。
なぜなら、触っただけではどの部位に悪性腫瘍が発生しているかを判断できないからです。細かい部位が集まっているため、正確な判断を受けるために検査が必要不可欠になります。
働き盛りの若い世代で発症しやすい乳がんは、病状の進行スピードが早いことも特徴です。小さな変化であっても、医師に相談するようにしましょう。

40歳になったら2年に1回の乳がん検診を受診しよう

乳がん検診は40歳になったら、2年に1回受診することが推奨されています。
40歳以上になると乳がんの死亡率がピークとなるためです。20代や30代の方であっても、乳がん検診を受けられるため検討してください。30代後半以降から発症しやすいため、気になる方はぜひ受診してはいかがでしょうか。

乳がんのセルフチェックについてよくある質問

ここまで乳がんのセルフチェックと自己検診の重要性や方法などについて紹介しました。ここでは「乳がんのセルフチェック」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

乳がんのセルフチェックはどれくらいの頻度で行えばいいですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

セルフチェックを始めたばかりの頃は、月経の前後に行うことをおすすめします。月経前は乳房がハリやすく、月経後半には乳房がやわらかくなるためです。できれば日常の習慣として毎日セルフチェックを行っていれば、より変化に気付きやすくなるでしょう。閉経後の方は、日にちを決めて毎月1回行うことがおすすめです。

セルフチェックはどれくらいの力加減で行うのでしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

手のひらと5本指でなでるくらいの力加減でセルフチェックを行います。しこりを感じたら、つまんでみて大きさや硬さをみてみましょう。痛いと感じない程度の力加減を意識してください。もし、炎症が起きていればなでていても痛みを感じるでしょう。その場合は、病院へ受診することをおすすめします。

編集部まとめ

乳がんのセルフチェックと自己検診の重要性や方法について詳しく解説しました。

乳がんは早期発見・早期治療が生死を分けるといっても過言ではありません。できる限りセルフチェックを習慣にすることをおすすめします。

違和感を覚えたら、後回しにせず病院へ受診するよう心がけましょう。

乳がんと関連する病気

「乳がん」と関連する病気は3個程あります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください

関連する病気

乳がんは上記と関連する病気のほかにも、転移する恐れがあります。関連する病気や転移を防ぐためにも、早期発見に努めることが大切です。

乳がんと関連する症状

「乳がん」と関連している、似ている症状は2個程あります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 脇の下のリンパ節の腫れ
  • 乳房の痛み

上記のような異変を感じた場合には、早めに受診するよう心がけましょう。悪性腫瘍以外にも、炎症やほかの病気を引き起こしている可能性が考えられます。

この記事の監修医師