FOLLOW US

目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 症状から調べる
  3. 心臓・血管
  4. 「ストレスで胸が苦しい」原因はご存知ですか?対処法も医師が徹底解説!

「ストレスで胸が苦しい」原因はご存知ですか?対処法も医師が徹底解説!

「ストレスで胸が苦しい」原因はご存知ですか?対処法も医師が徹底解説!

ストレスで胸が苦しいとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

別府 拓紀

監修医師
別府 拓紀(精神科医)

プロフィールをもっと見る
2012年産業医科大学医学部卒業。大学病院や市中病院で精神科の経験を積み、現在精神科医として市中病院勤務。大手企業の専属産業医経験あり。病院や企業の嘱託産業医経験多数。公認心理師、精神保健指定医、認知症サポート医、日本精神神経学会精神科専門医・指導医、日本老年精神医学会専門医、日本臨床精神神経薬理学会専門医、メンタルヘルス運動指導士、日本医師会健康スポーツ医、産業医、日本DPAT先遣隊隊員。

「ストレスで胸が苦しい」症状で考えられる病気と対処法

ストレスを抱えると、胸が締めつけられる様に感じることがあり、それを「胸が苦しい」と表現することがあります。ストレスによる胸の苦しみは誰もが経験することであり、一時的なものであれば多くは問題ありませんが、中には病気が隠れていることがあります。ここでは、ストレスで胸が苦しい時に考えられる病気や対処方法について解説していきます。

ストレスで胸が苦しい症状で考えられる原因と対処法

ストレスで感じる胸の苦しさに加えて、吐き気がする場合があります。その多くが一時的なものであれば、自律神経の調節の不具合によるものであり問題ないことがほとんどですが、症状を繰り返すことで臓器に負担がかかり、病気の症状として出現する場合があります。持続する場合は病気が隠れている可能性があります。例えば、口の中が苦くなったり、みぞおちの上あたりがきりきりと痛んだりする場合は、逆流性食道炎など消化器疾患の可能性があります。症状が持続する場合は、内科受診をお勧め致します。

ストレスで胸が苦しくて吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

寝起きは自律神経が不安定なことが多く、ストレスによる症状が体に出やすい可能性があります。そのため、起きて時間がたち、症状が軽減する場合は気にしなくても良い場合が多いですが、症状が持続する場合は消化器疾患や、心臓の疾患を抱えている可能性があります。症状が持続する場合は一度内科受診を検討してみましょう。

寝起きにストレスで胸が苦しい症状で考えられる原因と対処法

咳が出る場合も、一時的なものであれば気にしなくてよいことが多いですが、症状が持続する場合は喘息やそのほか呼吸器系の疾患が隠れている可能性があります。特に、夜に咳が持続する場合は喘息が考えられる可能性があります。そういった場合は、呼吸器内科を受診してみることをお勧め致します。

ストレスで胸が苦しくて咳が出る症状で考えられる原因と対処法

頭痛に関しても、一時的なものであればあまり気にする必要はありませんが、症状が持続したり激しい頭痛が起きたりする場合は病気が隠れていることがあります。頭痛の前に視野に稲妻のような光が現れその後に暗くなったり、脈打つような痛みがあったりする場合は片頭痛をきたしている可能性があります。また、閃輝暗点は、片頭痛以外にもさまざまな要因で起こる可能性があり、症状が出現した場合は病院受診をお勧め致します。

ストレスで胸が苦しくて頭痛がする症状で考えられる原因と対処法

ストレスによる胸の苦しさが持続し、かつ苦しさが激しく冷や汗がでるほどであれば心臓の病気の可能性があります。特に注意すべき疾患は心筋梗塞などの虚血性心疾患で、場合によっては命に関わることもあります。胸の苦しさが持続し、症状が改善せず冷や汗が出るほど苦しい場合は循環器内科をすぐに受診することをお勧め致します。

すぐに病院へ行くべき「ストレスで胸が苦しい」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

受診・予防の目安となる「ストレスで胸が苦しい」ときのセルフチェック法

  • ストレスで胸が苦しい症状が持続し、冷や汗が出たり苦しさが著明に出現したりする場合
  • ストレスで胸が苦しい以外に嘔吐するほどの吐き気を認める場合
  • ストレスで胸が苦しい以外に咳が長く持続する場合

「ストレスで胸が苦しい」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「ストレスで胸が苦しい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

心臓神経症

心臓神経症は心臓の機能が正常であるにもかかわらず、ストレスや不安、精神的な負担などによって心臓に関連する症状が引き起こされる状態です。症状には心臓の動悸、不整脈、胸部不快感、息切れ、めまい、不安感などが含まれます。心臓神経症の発症原因は個人によって異なりますが、主な要因には長期間のストレスや不安、心的外傷体験、不健康な生活習慣(不規則な食事、睡眠不足、運動不足)などが挙げられます。対処法は、ストレス管理やリラクゼーション法、健康的な生活習慣の確立、心理療法やカウンセリング、適切な休息や睡眠などが対処法として有効です。また、症状が激しい場合、抗不安薬や抗うつ薬などの薬物療法が処方されることがあります。また、必要に応じて心理療法や認知行動療法が行われることもあります。症状が慢性化し、日常生活に支障をきたす場合、症状が急激に悪化し、身体的な不快感や疼痛が強くなる場合は循環器内科などの受診を検討することをお勧め致します。

自律神経失調症

自律神経失調症の症状には、めまい、動悸、血圧の変動、消化器の不調、過度の疲労感、体温の変動、頭痛、不眠などが含まれます。自律神経失調症の発症原因は明確ではありませんが、ストレス、不規則な生活習慣、過労、遺伝的要因などが関与する可能性があります。自律神経失調症の症状を軽減するためには、ストレス管理、適切な睡眠、健康的な食事、適度な運動、リラクゼーション法などのストレス軽減法が有効です。強い症状を認めた場合、抗不安薬や抗うつ薬、血圧調節薬、消化器官の調整薬などが処方されることがあります。また、心理療法やカウンセリングも有効な治療法の一つです。症状が慢性化し、日常生活に支障をきたす場合、症状が急激に悪化し、身体的な不快感や疼痛が強くなる場合は精神科や心療内科の受診をお勧め致します。

不安障害

不安障害の主な症状には、強い不安や恐怖、パニック発作、心臓の動悸、呼吸困難、不眠、筋肉の緊張、集中力の低下などがあります。不安障害の発症原因は複合的であり、遺伝的要因、生物学的要因、環境要因、ストレスなどが関与することがあります。過度のストレス、トラウマ体験、家族内での不安な状況、個人的な性格特性などもリスク因子とされています。不安障害の症状を軽減するためには、ストレス管理、リラクゼーション法、深呼吸、瞑想、規則正しい睡眠、適切な運動、社会的な支援などのストレス軽減法が有効です。治療法として、軽度から中等度の不安障害の場合には、認知行動療法(CBT)、心理療法、リラクセーション法などの心理的アプローチが一般的に行われます。重症の場合には、抗不安薬や抗うつ薬などの薬物療法が処方されることもあります。症状が日常生活に支障をきたす場合、症状が急激に悪化し、自己管理が困難な場合は精神科や心療内科の受診を検討しましょう。

パニック障害

パニック障害は、不安や恐怖が突然発生し、身体的な症状が出現することで特徴づけられます。これにより、日常生活や社会生活に支障をきたすことがあります。パニック障害の発症原因は複合的であり、遺伝的要因、生物学的要因、環境要因、ストレスなどが関与することがあります。特にストレス、トラウマ体験、遺伝的要因、または特定の環境要因がリスク因子とされています。パニック発作が起こった場合には、深呼吸やリラクゼーション法、安心感を与える言葉や行動、安心できる環境の提供などが有効です。また、パニック障害の予防には、ストレス管理、規則正しい生活習慣、適度な運動、健康的な食事などが重要です。パニック障害の治療には、認知行動療法(CBT)や心理療法、薬物療法が行われることがあります。特に、抗不安薬や抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬剤などが処方されることがあります。パニック発作が頻繁に起こり、日常生活に支障をきたす場合、パニック発作が急激に悪化し、自己管理が困難な場合などには、精神科や心療内科の受診をお勧め致します。

「ストレスで胸が苦しい」症状の正しい対処法は?

ストレスで胸が苦しい場合、焦らず静かに座り、深呼吸をして落ち着くことが大切です。また、冷静さを保ち、自分に「今はストレスがかかっているだけで、何か具体的な病気ではない」と言い聞かせることも効果的です。市販薬は一時的な症状の緩和に役立ちますが、胸が苦しい症状に対しては原因を解決することが重要です。そのため、市販薬の使用は短期間に限定し、医師の指示に従うことが大切です。胸が苦しい場合、胸の中心や背中の特定のツボを刺激することが効果的です。また、軽いマッサージやストレッチも緊張を和らげるのに役立ちます。ストレスや不安を軽減するためには、深呼吸やゆっくりとした呼吸法、リラクゼーション法や瞑想などのストレス軽減法を試してみると効果的です。また、十分な睡眠、ストレスの軽減、リラクゼーション法の実践など、健康な生活習慣で過ごすことは胸が苦しい症状の緩和に役立ちます。早く治したい場合には、ストレス源の特定と解決、適切な休息、医師や専門家の指導のもとでの適切な治療が重要です。胸が苦しい症状に対する適切な対処方法を行い、必要に応じて医師や専門家の診断を受けることが大切です。

「ストレスで胸が苦しい」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレスで胸が苦しい」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ストレスで胸が苦しくて寝れない時はどうすればいいですか?

別府 拓紀 医師別府 拓紀 医師

まずは深呼吸をして、気持ちを落ち着かせることが大切です。眠れない時は無理して眠りに付こうと思うのではなく、「眠れなくても次の日に眠れるからいいや」くらいの感覚で過ごして頂くと良いでしょう。また、眠れない原因は胸が苦しいだけではなく、生活リズムや睡眠環境など様々な理由があるはずです。解決できることは解決することで快適な睡眠が得られるようになることが期待できます。それらを行なった後も症状が持続する場合は受診を検討してみると良いかもしれません。

ストレスで胸が苦しい時に効果があるツボはありますか?

別府 拓紀 医師別府 拓紀 医師

ストレス全般に効果のあるツボで、「合谷(ごうこく)」という有名なツボがあります。合谷は、手の甲の親指と人差し指の間にあり、気持ちいいと感じる程度に押すことでストレスの乱れに良い影響を及ぼす可能性があります。ストレスが多く日々きつい思いをされている方は試してみてもよいでしょう。

まとめ 冷や汗や苦しさも出現するときは循環器内科を受診

ストレスで胸が苦しい症状については、誰もが経験したことがある症状であると考えます。しかし、場合によっては体の病気が隠れていることもあるため、気になることがあれば病院受診をおすすめ致します。

「ストレスで胸が苦しい」症状で考えられる病気

「ストレスで胸が苦しい」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

精神科の病気

ストレスで胸が苦しい症状が持続したり激しくなったりした場合は、病気が隠れている可能性があり、病院受診をお勧め致します。

「ストレスで胸が苦しい」に似ている症状・関連する症状

「ストレスで胸が苦しい」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • ストレスで吐き気がする
  • ストレスで眠れない
  • ストレスで食事ができない

まずはストレスを軽減するように生活習慣を見直すなど対策を立ててみましょう。それでも改善しない場合には、医療機関への受診も検討してください。