介護疲れ、孤独、葛藤… 認知症の母と娘描く映画、東京で上映

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映画「虹のかけら」のポスター©2022「虹のかけら」製作委員会 拡大
映画「虹のかけら」のポスター©2022「虹のかけら」製作委員会

 認知症を患う母とその母を支える娘の絆を描いた映画「虹のかけら」が5月3日から、Morc阿佐ケ谷(東京都杉並区阿佐谷北2)で上映される。母親の介護に疲れ、主人公の女性が孤独を感じる場面など、介護の現実が表現されている。

映画「虹のかけら」のワンシーン©2022「虹のかけら」製作委員会 拡大
映画「虹のかけら」のワンシーン©2022「虹のかけら」製作委員会

 物語は、50代で認知症と診断された母・佳代子と、母を支える娘・芽衣(28)のやり取りを中心に進む。父はすでに他界。母の認知症の症状が徐々に進行するなか、介護疲れや孤独感、誰にも悩みを打ち明けられない娘の葛藤が描かれている。

 坂厚人監督(34)が作品を作り始めたのは、主人公と同じ28歳の時。仕事が続かず空白感や孤独感を覚えていた20代前半の自身を表現したいと思い、5年かけて仕上げた。タイトルには、主人公が前に進むための懸け橋になる「虹」と、記憶や経験、人との関わりを指す「かけら」で自身が作られていくという意味を込めたという。

 2023年に大阪で上映された時には、涙を流す観客がいた。その観客は自身の介護体験を重ね合わせ、「みとった母に生前、もっとできることがあったんじゃないか」と感じたという。

 坂監督は「主人公には、孤独を感じていた私自身を投影した」と語る。観客に対し、「周囲で苦しんでいる人がいたら、共感し、寄り添ってあげてほしい」と話している。

 上映は各日とも午前10時半からで、5月9日まで。チケット購入などの詳細はMorc阿佐ケ谷のホームページに掲載している。【小林遥】

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