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能登半島地震

2024年1月1日、石川県能登地方で最大震度7を観測する地震がありました。同地方では、23年5月に最大震度6強の地震が発生しています。

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輪島塗の危機救いたい 漆芸職人集団「彦十蒔絵」の展示販売会 京都

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小村雪岱の美人画を蒔絵にした小物入れ=京都市北区のKANEGAEで2024年4月13日午後3時57分、矢倉健次撮影 拡大
小村雪岱の美人画を蒔絵にした小物入れ=京都市北区のKANEGAEで2024年4月13日午後3時57分、矢倉健次撮影

 京都市北区のギャラリー「KANEGAE」で石川県輪島市を拠点とする「輪島塗」の漆芸集団「彦十蒔絵(まきえ)」の作品展示・販売会が開催されている。17日まで。【矢倉健次】

 彦十蒔絵は漆芸作家の若宮隆志氏が主宰する木地、粗塗り、本塗りなどを分業する15~20人程度の職人集団。それぞれが工房を構えて輪島で活動していたが、元日に発生した能登半島地震で1人の若手職人が亡くなった。多くの工房も大きな被害を受けた。KANEGAEの鐘ケ江英夫ディレクターによると、一部の職人は金沢市などで活動を再開したが、分業制がゆえにチームとしての制作はままならない状況が続いている。

 KANEGAEは彦十蒔絵の作品を継続的に少数展示してきた縁もあり、今回の事態を受けてすでに決まっていた他の展示の作家の了解を得て、同会期に予定されていたスペースの一部を使って急きょ10作品(ウェブサイトのみ掲載を含め14作品)の展示・販売会を企画した。「売り上げで収入を得て、危機脱出、技術の復興・継承につなげてほしい」(鐘ケ江ディレクター)という強い思いからだった。

 小村雪岱(せったい)の美人画に蒔絵で挑んだ小物入れ、ひな人形が描かれた「貝合わせ」の小物入れ、泉鏡花の戯曲「天守物語」を題材とした鏡など、細部に至るまでの技術の高さに驚かされる作品が並ぶ。京都女子大家政学部生活造形学科の前崎信也教授のゼミ生が彦十蒔絵の若宮代表や若手職人にインタビューして制作した復興応援動画もギャラリーでは映されており、震災が起こったことでさらに注目されることになった輪島塗の伝承への思いを伝える。

 開廊は午前10時~午後5時半。KANEGAE(075・491・2127)。

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