鳥取初の夜間中学が開校 10~60代の10人が新たな一歩

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鳥取県立まなびの森学園の入学式で、「生徒たちを温かく包み込み、安らぎを得られる森のような学びの場にしたい」と抱負を述べる山口京子校長=鳥取市湖山町北5の鳥取県教育センターで、山田泰正撮影 拡大
鳥取県立まなびの森学園の入学式で、「生徒たちを温かく包み込み、安らぎを得られる森のような学びの場にしたい」と抱負を述べる山口京子校長=鳥取市湖山町北5の鳥取県教育センターで、山田泰正撮影

 鳥取県は今年度、県教育センター(鳥取市湖山町北5)に夜間中学校「県立まなびの森学園」を開校した。県が夜間中学校を設置するのは、中国地方では初めて。12日に開かれた入学式には、1期生となる10~60代の新入生10人が出席し、新たな学びへの一歩を踏み出した。【山田泰正】

 入学式で山口京子校長は、「誰もが安心して学べるよう、自分を大切にし、他者も大切にしてほしい。色とりどりの皆さんたちがつながることで、新たな勇気や知恵、力を得られるはず。未来への一歩を踏み出しましょう」と激励した。

 新入生を代表して、田中ひとみさん(63)があいさつ。不登校で中学校に通えなかった経験を紹介し、「何年も前から、鳥取に夜間中学校ができたら通いたいと思っていた。63歳になっても新たな一歩を踏み出すことができた。学びのチャンスを無駄にしないよう、元気に頑張りたい」と決意を述べた。

 式には同校の校歌を制作した鳥取市出身のシンガー・ソングライター、杏沙子(あさこ)さんも招かれ、ピアノ伴奏に合わせて歌声を披露した。

 夜間中学校は病気や不登校などのため、小中学校で十分な教育を受けられなかった人や外国籍の人たちが対象。文部科学省は夜間中学校について、「義務教育を実質的に受ける機会がなかった人にとって重要」として、2016年の教育機会確保法の成立を受け、「全都道府県・政令市に少なくとも1カ所の設置を目指す」とする方針を策定した。

 鳥取県は18年度から設置形態や教育内容について検討を重ね、21年に設立が決まった。授業は平日の週5日間あり、午後5時半から午後8時45分までの4時限制。生徒一人ひとりに合わせた学習計画を立て、国語、社会、数学など昼間の中学校と同じ9教科を学ぶ。

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