イラン攻撃→「全面衝突」あるか、たった1つのカギ 「水面下の戦争」から局面一転、直接攻撃の衝撃

拡大
縮小
イラン
イランは4月14日、イスラエルに対して大規模な攻撃を行った。イスラエルはどう反応するのか(写真:REUTER/Christophe van der Perre TPX IMAGES OF THE DAY )

イランによる4月14日(日本時間)の無人機や弾道ミサイル、巡航ミサイルを使ったイスラエルへの攻撃は、鉄壁の対空防衛網が機能したため、大きな被害は出なかった。だが、イランによるイスラエル領内を狙った直接的な攻撃は初めてで、イスラエルが報復に踏み切れば、中東の親イラン勢力を巻き込む形で戦火が一気に拡大する懸念が強い。

今回の攻撃で浮上した「懸念」

今回の攻撃は、シリアのイラン大使館で1日にイラン精鋭部隊、革命防衛隊の司令官ら7人が殺害されたことに対する報復だが、事態をエスカレートさせないよう抑制されたものだったとの見方もある。

ただ、イランと敵対してきたイスラエルのネタニヤフ首相が、核兵器開発疑惑のあるイランを攻撃する好機と捉えたり、イランに支援を受けるパレスチナのイスラム組織ハマスの殲滅を狙ったガザ地区への攻撃を強化したりする可能性がある。

暗殺作戦や親イラン勢力の参加という形で「水面下の戦争」を繰り広げてきた両国が直接対決に転じたことで、イスラエルによるイラン核関連施設の空爆や親イラン勢力と連携したイランによる大規模攻撃など両国による全面戦争へのハードルが大幅に下がった格好だ。

イランは攻撃に無人機約170機、巡航ミサイル30発以上、弾道ミサイル120発以上を投入したほか、小規模ながらもイランやイエメン、レバノンの親イラン勢力も攻撃に加わった。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT