「ライバル自滅」絶頂期でも道長の不安尽きない訳 娘の彰子も入内する中、道長は次の一手を模索

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光る君へ 大河ドラマ 藤原道長
平安神宮(写真: active-u / PIXTA)
NHK大河ドラマ「光る君へ」がスタートして、平安時代にスポットライトがあたることになりそうだ。世界最古の長編物語の一つである『源氏物語』の作者として知られる、紫式部。誰もがその名を知りながらも、どんな人生を送ったかは意外と知られていない。紫式部が『源氏物語』を書くきっかけをつくったのが、藤原道長である。紫式部と藤原道長、そして二人を取り巻く人間関係はどのようなものだったのか。平安時代を生きる人々の暮らしや価値観なども合わせて、この連載で解説を行っていきたい。連載第14回は兄の道隆などライバルたちが亡くなっても、道長の不安が尽きなかった理由を解説する。
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「将来の后に」と期待された彰子

藤原道長が妻の倫子との間に、女児をもうけたときには、大変な騒ぎとなった。懐妊がわかった時点で、大々的に安産祈願の祈祷が行われている。いざ生まれるとなれば、周囲のざわめきはなお一層、大きいものとなった。

倫子が産気づくや否や、多くの僧がやってきて読経を始めるわ、道長の父である兼家や、姉である詮子からは「どんな様子なのか」とひっきりなしに問い合わせはあるわで、バタバタだったらしい。

いかに道長と倫子の子が、周囲の期待を背負っていたかがわかる。出産する倫子の父である左大臣の源雅信も、さぞ心配したことだろう。

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