韓国総選挙で与党惨敗 大統領室幹部らが辞任表明 厳しい政権運営

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韓国国旗=ゲッティ 拡大
韓国国旗=ゲッティ

 10日に投開票された韓国総選挙(定数300)の開票作業が11日午前に終了し、全議席が確定した。進歩系の最大野党「共に民主党」は系列の比例政党を含めて計175議席を獲得。尹錫悦(ユンソンニョル)大統領を支える保守系与党「国民の力」と系列政党は108議席と惨敗した。尹氏の求心力低下は避けられず、政局の主導権も野党に握られることとなり、更に厳しい政権運営を迫られることになりそうだ。

 総選挙は尹政権に対する「中間評価」と位置づけられる。少数与党の国民の力は、過半数奪取による政権と国会の「ねじれ」解消を目指したが失敗した。一方、野党勢力も大統領の弾劾訴追案の可決や憲法改正などが可能になる200議席には届かなかった。ただ、共に民主党系と曺国(チョグク)元法相率いる進歩系新党「祖国革新党」の12議席を加えれば、180議席以上という国会法の規定に基づき法案を単独で迅速処理できる数を確保したことになる。

 進歩系の各党は反尹政権では力を合わせる可能性が高く、展開次第では任期を約3年残した尹政権が「レームダック(死に体)」化する恐れがある。尹氏は2022年の大統領就任後、積極的に日韓関係の改善を進めてきた。しかし、野党側はこうした対日政策には批判的で、今回の惨敗が一定の影響を与える可能性もある。

 今回の結果を受け尹氏は11日、「総選挙での国民の意思を謙虚に受け止め、国政を刷新し、経済と民生の安定のために最善を尽くす」とのコメントを発表した。韓悳洙(ハンドクス)首相や大統領府の幹部らは辞意を相次いで表明した。一方、共に民主党の李在明(イジェミョン)代表は「民主党の勝利ではなく、国民の勝利だ。与野党共に民生と経済危機の解消のために力を集結させなければならない」と訴えた。【ソウル福岡静哉、日下部元美】

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