U-19日本代表FW高岡伶颯(れんと、17=宮崎・日章学園高)がイタリアで「トライアウト詐欺」に遭ったと、セリエAインテル・ミラノの専門メディア「インテルライブ(Interlive.it)」が報じていた件について、関係者が「聞いていた話と違う。詐欺に遭った事実は一切ないそうだ」と否定した。

ミラノ滞在に関しては認めた上で、もともとインテル・ミラノ訪問は試合観戦や施設見学だけが目的で、最初から練習参加、トライアウトを受ける約束、面会のアポイントは取りつけていなかった。何より、その意思がなかったという。

架空の海外クラブ入団テストを持ちかけ、費用を振り込ませる手口は実在し、過去にも表沙汰になってきた。インテルライブは4日に「独占取材」として、高岡と日本人の代理人がミラノに滞在していると紹介。インテルとトライアウトの約束を取りつけて現地を訪れた…はずが、着いてみると、ネラッズーロ(愛称=青と黒)のテスト参加はおろか、面会の約束すらないことが発覚した、としていた。

さらに「タカオカは自費で渡航しており、ぼったくりに腹を立てている」とも伝えていたが、これについても関係者は「高岡君や日章学園さんがお金を出したという話は一切ないと聞いている」と強調した。実際は現在、イングランド2部サウサンプトンの練習に参加しているという。こちらは正式招待とみられ、その場合は一般的に、渡航費や滞在費など全額がクラブ持ちとなる。

日本高校選抜の一員として今月上旬までデュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)に参加しており、そのまま欧州に残った形だ。かつて李忠成、吉田麻也や南野拓実が在籍した港町でアピール中。別の関係者によると、高岡はJ1、J2の計5クラブと海外複数の約10クラブから興味を示されているため、超高校級の進路は「トライアウト詐欺」とは無縁のようだ。

高岡は2023年のU-17アジア杯で優勝に貢献。そのまま代表に選ばれたU-17ワールドカップ(W杯)では1次リーグのポーランド戦、アルゼンチン戦、セネガル戦で全てゴールを決めて、グループ3戦4発で日本を決勝トーナメントに導いていた。165センチと小柄ながらスピードを武器に、国内外のプロが争奪戦を繰り広げる存在になっている。