日本テレビ系「笑点」(日曜午後5時30分)の新メンバーに落語家の立川晴の輔(51)が加入した。1969年(昭44)から足かけ55年もレギュラー出演、3月31日に放送を卒業した林家木久扇(86)の後任として番組を盛り上げていく。

   ◇  ◇  ◇  

晴の輔は、立川談志さんが家元だった「落語立川流」の次世代エース的存在だ。軽妙な語り口で笑いを誘い、師匠立川志の輔にきっちり仕込まれた古典落語をじっくりと聞かせる。何よりも「明るい」芸風が人気の原点にある。2年前の新メンバー桂宮治の「はじけた陽気さ」、昨年加入した春風亭一之輔の「辛口な笑い」に、晴の輔の「軽妙な明るさ」が加わり、「笑点」に新しい風が吹くことが期待できる。

東京農大卒業後、志の輔のもとに一番弟子として入門した。志の輔は見込みがないと判断した弟子を何人も首にしてきたが、晴の輔は生き残った。03年には家元談志が立ち会った昇進試験に合格して二つ目に昇進。08年には東西若手落語家コンペテションで初代グランドチャンピオンになった。13年に真打ちに昇進したが、披露宴はホテルニューオータニ。よみうりホールでの披露興行には林家木久扇、春風亭昇太もゲスト出演した。

その時から「笑点」とは縁があり、「笑点」予備軍とも言われるBS日テレ「笑点特大号」の若手大喜利コーナーに出演していた。19年には病気休養の三遊亭円楽さんの代演で「笑点」に出演したが、実は立川流の落語家の「笑点」出演は50年ぶりだった。66年スタートの「笑点」初代司会は談志だったが、69年に司会を辞めていた。

50年ぶり出演時に「落語立川流という暗黒団体からやって参りました」と自己紹介して爆笑を呼んだ。円楽さんの後任メンバー予想の時も晴の輔の名前は挙がっていた。ただ、三番手、四番手の立ち位置だったが、今回はダークホースが見事に差し切ったことになる。【林尚之】