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自民パーティー券事件

自民党の派閥が政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に過少記載したとして刑事告発されました。

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離党勧告は「友」の非情 生けにえ・塩谷立氏が憤る岸田首相の仕打ち

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自民党党紀委員会で「離党勧告」の処分が正式決定し、記者の取材に応じる塩谷立氏=衆院第2議員会館で2024年4月4日午後7時、宮間俊樹撮影
自民党党紀委員会で「離党勧告」の処分が正式決定し、記者の取材に応じる塩谷立氏=衆院第2議員会館で2024年4月4日午後7時、宮間俊樹撮影

 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で党が下した「離党勧告」処分に「まるでスケープゴート(生けにえ)」だと反発し、岸田文雄首相(党総裁)も責任を取るべきだとして12日に党に再審査の請求をした塩谷立・元文部科学相(74)。「温厚で押しは弱い」と評される塩谷氏を駆り立てたのは、「友」と信じてきた岸田首相による非情な仕打ちへの憤りだった。

「岸田総裁の責任も問われるべきだ」

 「党の窮状でやむを得ず処分する。そういう言葉があれば、『はい分かりました』と言ったかもしれない」。離党勧告翌日の5日、塩谷氏は記者会見で、党への再審査請求を検討すると表明しつつそう語った。塩谷氏が強調したのは処分以上に、処分に至るまでの党執行部の「独裁的・専制的」(塩谷氏)な対応への不満だった。

 党は政治資金収支報告書への組織的な不記載があった安倍派(清和政策研究会)について、会長だった安倍晋三元首相が現金による還付取りやめを指示した2022年4月の幹部会合に出席し、安倍氏の死去後の同年8月にも会合を持った塩谷氏と下村博文・元文科相、西村康稔・前経済産業相、世耕弘成・前参院幹事長の4氏の責任を重視。塩谷、世耕両氏を処分対象の安倍派、二階派39人の中で最も重い「離党勧告」に、下村、西村両氏は「党員資格停止1年」とした。塩谷氏は最近まで安倍派「座長」を、世耕氏は参院安倍派「清風会」の会長を務めていた。

 塩谷氏はこの処分について会見などで、座長に就任したのは23年で、22年時点は下村氏と同じ会長代理だったなどと主張。処分理由が「いくつか事実と違う」と訴え、自身への厳罰ありきだったのではとの認識をにじませた。

 塩谷氏は処分決定に先立つ4日、離党勧告は「まるでスケープゴート」だとする弁明書を党に提出した。「岸田総裁の道義的・政治的責任も問われるべき」だとも記した。

処分覚悟して待っていたのは…

 この書きぶりには伏線がある。…

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