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自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で党が下した「離党勧告」処分に「まるでスケープゴート(生けにえ)」だと反発し、岸田文雄首相(党総裁)も責任を取るべきだとして12日に党に再審査の請求をした塩谷立・元文部科学相(74)。「温厚で押しは弱い」と評される塩谷氏を駆り立てたのは、「友」と信じてきた岸田首相による非情な仕打ちへの憤りだった。
「岸田総裁の責任も問われるべきだ」
「党の窮状でやむを得ず処分する。そういう言葉があれば、『はい分かりました』と言ったかもしれない」。離党勧告翌日の5日、塩谷氏は記者会見で、党への再審査請求を検討すると表明しつつそう語った。塩谷氏が強調したのは処分以上に、処分に至るまでの党執行部の「独裁的・専制的」(塩谷氏)な対応への不満だった。
党は政治資金収支報告書への組織的な不記載があった安倍派(清和政策研究会)について、会長だった安倍晋三元首相が現金による還付取りやめを指示した2022年4月の幹部会合に出席し、安倍氏の死去後の同年8月にも会合を持った塩谷氏と下村博文・元文科相、西村康稔・前経済産業相、世耕弘成・前参院幹事長の4氏の責任を重視。塩谷、世耕両氏を処分対象の安倍派、二階派39人の中で最も重い「離党勧告」に、下村、西村両氏は「党員資格停止1年」とした。塩谷氏は最近まで安倍派「座長」を、世耕氏は参院安倍派「清風会」の会長を務めていた。
塩谷氏はこの処分について会見などで、座長に就任したのは23年で、22年時点は下村氏と同じ会長代理だったなどと主張。処分理由が「いくつか事実と違う」と訴え、自身への厳罰ありきだったのではとの認識をにじませた。
塩谷氏は処分決定に先立つ4日、離党勧告は「まるでスケープゴート」だとする弁明書を党に提出した。「岸田総裁の道義的・政治的責任も問われるべき」だとも記した。
処分覚悟して待っていたのは…
この書きぶりには伏線がある。…
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