舞台「カラカラ天気と五人の紳士」が6日、東京・世田谷区のシアタートラムで初日を迎え、堤真一(59)と溝端淳平(34)がコメントを寄せた。

不条理劇の第一人者、別役実氏が92年に書いた戯曲を、加藤拓也氏の演出で32年ぶりに上演。懸賞のハズレくじで当たった棺桶(かんおけ)を担いだ5人の紳士が、「死ぬ方法」を探すうちに謎の女性2人組と出会い、不思議な劇空間が展開していく。

出演者は堤、溝端のほか、野間口徹、小手伸也、高田聖子、中谷さとみ、藤井隆。東京公演は26日まで。5月から、岡山、大阪、福岡でも公演。

▽堤真一コメント

不条理劇の経験は過去にもありましたが、別役実作品は初めて。実は、最初に台本を読んだ時、途中でワケがわからなくなってしまって、思わずパタンと台本を閉じてしまったんです(笑い)。でも、最後まで読むと、別役さんの死生観が浮かび上がってくるのを感じました。それに今回、稽古の初期段階でじっくりと本読みに時間をかけて皆で話し合えたことが大きくて、これは決して「不条理」ではなく、「普通の会話」なんだという共通認識をもてるようになりました。その会話を皆で成立させていけば、おのずと世界観が見えてくると思っています。ご期待ください。

▽溝端淳平コメント

いつかご一緒したかった加藤拓也さん演出で、いよいよ別役作品をやらせていただけることに、身が引き締まるような感覚とうれしさがありました。稽古場では、百戦錬磨の先輩方のお芝居へのアプローチを間近で感じられ、本当にぜいたくな時間を過ごしていました。そんな中で、自分もしっかりと役の個性や存在感を作らなければ、といろいろ考えていたのですが、そぎ落としていく加藤演出では、「何もしないこと」を求められ模索の日々。ただ、その作業は同時にとても楽しく刺激的で、今は自分でも予想もしていなかった世界に行けるような気がしています。