「キャプテン翼」連載終了 草の根女性指導者が発した感謝の言葉
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日本でサッカー人気が低迷していた1981年に連載が始まり、競技の発展に大きく貢献した漫画「キャプテン翼」が4日、連載を終えた。キャプテン翼はサッカー少年少女に何をもたらしたのか。作品の舞台となった静岡で長年、子供たちとサッカーに取り組んできた女性指導者の草分け的存在に聞いた。
夢と可能性を広げ
「翼君たちは『三つ子の魂』に火を付けた。私はキャプテン翼に最優秀選手賞(MVP)を与えたい」
多くの日本代表を輩出した小学生年代の強豪チーム、清水FCで監督を務めた綾部美知枝さん(75)はそう語る。綾部さんは「日本少年サッカー発祥の地」とされる静岡市清水区で70年ごろから本格的に指導し、77年には長谷川健太さん(58)、大榎克己さん(59)、堀池巧さん(58)らを率いて全日本少年サッカー大会で優勝した。2022年には女性初の日本サッカー殿堂入りを果たしている。
静岡県はキャプテン翼の主人公・大空翼が小中学生時代を過ごした舞台だ。小学生編では翼を擁する南葛SCが県大会決勝で志水FCというチームと対戦している。93年にJリーグが開幕する10年以上も前に始まった作品の中で、翼は海外でプロになって活躍する夢を追った。
「(それまで)子供たちは『大きくなったらサッカー選手になる』とは言わなかった。サッカーを職業としては考えていなかったのだと思う。でもキャプテン翼ができたことで、子供たちにとってサッカーの持つ夢と可能性がすごく広いものになった」
非現実的な描写も役立て
キャプテン翼は現実とリンクしていた。翼は当時のサッカー少年と同じく全日本少年サッカー大会を目指した。作中にも登場する全国大会の会場の、東京都と川崎市にまたがる「よみうりランド」で、綾部さんは作者の高橋陽一さん(63)に会ったことがある。
「Tシャツにジーンズ姿で、髪の毛がボサボサで…
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