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甲子園彩った個性派ユニホームの右腕 あえて父に聞かなかったこと

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社会人となって練習に取り組む近藤愛斗投手=三菱自動車岡崎野球部提供
社会人となって練習に取り組む近藤愛斗投手=三菱自動車岡崎野球部提供

 チャコールグレーと赤の個性派ユニホームで昨夏の甲子園を彩った浜松開誠館高でプロ注目と騒がれた149キロ右腕は今月1日、入社式に臨んでいた。桜咲く季節に胸へ去来するのは、向上心を呼び起こすきっかけとなった新型コロナウイルス禍、そして成長を後押ししてくれた父への思いだ。

諦めかけた時期に……

 「高校で野球はやめよう」

 社会人野球の三菱自動車岡崎に入社した近藤愛斗投手(18)は昨春を迎える頃、そう心に決めていたという。

 高校1年の秋にエースナンバーをもらいながら、重圧のためか原因不明の制球難に陥った。2年春には「2軍落ち」を経験し、地道にトレーニングに取り組みながらも結果が出ない。だが、上を目指すのを諦めかけた頃から変化が表れる。3年の夏を前に球速が上がり、プロのスカウトから声がかかるほどになった。

 「全く想像していなかったけど、上のステージで続けることを考えるようになりました」

 背番号1をつけて臨んだ全国選手権。1回戦は東海大熊本星翔戦に先発し、七回途中2失点(自責1)で浜松開誠館の甲子園初出場初勝利に貢献した。だが、2回戦の北海戦(南北海道)は救援登板してサヨナラ負け。同世代の力のある選手と対峙(たいじ)したことで自分の立ち位置を理解し、「まだプロの世界では通用しない」とプロ志望届は出さなかった。

父との二人三脚が礎に

 同時に、それまで自分がどう成長してきたかを考えた。

 父の影響で始めた野球はなかなか熱中できずにいた…

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