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AYA世代と呼ばれる若年世代のがん入院患者が勉強に集中できて、ゆったりとくつろげるようにと、静岡がんセンター(静岡県長泉町下長窪)6階の小児AYA病棟に28日、学習机2脚と50インチモニター、ソファを備えた小部屋「AYAルーム・サークル」(8・3平方メートル)が完成した。壁も天井も防音性が高く、Wi―Fi(ワイファイ)接続でリモート授業を受けられる。
「未来を担う若い世代のために」と、県東部の70代の女性入院患者が費用を全額寄付し、面会室を改修して作った。女性は完成を待たず2023年1月に亡くなったが、マリーゴールドを描いた壁紙や緑色のソファは「外出して明るい気分になったように」と女性が選んだものという。
高校・大学世代の入院患者は現在2人。高校1年から入院し、大学に今春入学するという男性(19)は「病室で受ける高校の授業やテストは騒音が気になり集中できなかったが、この部屋は同じ状況の人の助けになる。入院中の他の子供と会う機会は今までなかったが、くつろぎ話し合うことで『同世代の人が頑張っている』と助け合える」と話した。【石川宏】