パフ・ダディの名で知られる米ヒップホップ界の大物ショーン・コムズ(54)が、性的人身売買の疑いで家宅捜査を受けたことが一大スキャンダルに発展している。国土安全保障省が25日、米カリフォルニア州ロサンゼルスとフロリア州マイアミにある邸宅2カ所を捜索したことが報じられている。コムズはいずれの自宅にもいなかったという。

昨年11月に元交際相手から性的暴行や性的人身売買などで訴えられており、これに関連した捜査であると見られているが、具体的な容疑については明らかにされていない。コムズは弁護士を通じて声明を発表し、すべての不正行為を否定。銃を携帯した捜査官による強制捜査は、軍レベルの武力の甚だしい過剰使用だと非難している。

コムズを巡っては、未成年を含む性的人身売買のほか、薬物や銃器の違法所持などの疑惑も持たれていることが伝えられており、元恋人以外にも複数の女性や元プロデューサーからも訴えられている。被害を訴える人の中には男性もおり、性器などを触られて性的関係を迫られたとして賠償金を求められている。

また、コムズは自身が主催するパーティーに女性たちを呼び、性的人身売買に利用していたともいわれている。コムズの交友関係の中には、音楽界だけでなく、スポーツ選手から政治家、ヘンリー王子まで幅広い人物がおり、NFLカンザスシティー・チーフスのパトリックス・マホームズは強制捜査後に過去のコムズに関するSNS投稿を削除したことなども取りざたされている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)