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バイデン氏、ロシアによる米記者拘束1年で非難 WSJ白紙で抗議

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拘束されているゲルシコビッチ記者(上)や家族の写真などを最終面に掲載した29日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル特集紙面=2024年3月29日、西田進一郎撮影 拡大
拘束されているゲルシコビッチ記者(上)や家族の写真などを最終面に掲載した29日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル特集紙面=2024年3月29日、西田進一郎撮影

 ロシアが米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者をスパイ容疑で拘束してから30日で1年となった。バイデン米大統領は29日、これに合わせた声明で「完全に不当で違法な拘束だ」と改めてロシア当局を批判し、釈放に向けた取り組みを続けると表明した。

 WSJは29日付の朝刊をゲルシコビッチ氏に関する特集紙面で包んだ。その1面の約3分の2はゲルシコビッチ氏の記事が本来載るべき場所として空白にし、拘束に抗議した。

 米国籍のゲルシコビッチ氏は2023年3月30日に、ロシア中部のエカテリンブルクで取材中にロシア連邦保安庁(FSB)に拘束された。国家機密である防衛企業の情報を収集したスパイ容疑で、その後起訴された。ゲルシコビッチ氏は容疑を否定している。

 バイデン氏は声明で「ジャーナリズムは犯罪ではない」と指摘。ゲルシコビッチ氏は、ロシアによるウクライナへの侵略に「真実の光を当てる」という記者の仕事をするためにロシアに行ったのだと強調した。拘束を引き続き非難したうえで、「代償を科し続ける」との考えも示した。

記者の拘束に抗議し、1面の約3分の2を空白にした29日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル特集紙面=2024年3月29日、西田進一郎撮影 拡大
記者の拘束に抗議し、1面の約3分の2を空白にした29日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル特集紙面=2024年3月29日、西田進一郎撮影

 米議会指導部も29日、「根拠のない逮捕、でっち上げられた容疑、不当な投獄を非難し続ける」との声明を発表。民主、共和両党の上下両院トップの計4人の連名で、「エバンを黙らせ、他の西側の記者らを脅迫しようとするクレムリン(露大統領府)の試みが真実の追求を妨げることにはならない」とロシアを批判し、釈放を求めた。

 WSJはこの日の特集紙面で、1面トップの場所にゲルシコビッチ氏の似顔絵と「彼の記事がここにあるべきだ」との見出しなどを置き、その下を大きな空白にした。特集紙面の最終面にはゲルシコビッチ氏の大きな写真と家族の写真、そのメッセージを掲載した。【ワシントン西田進一郎】

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