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知ってる?「ルビコン川を渡る」の意味と正しい使い方

2024.03.30

「ルビコン川を渡る」は、後戻りできないほどの重大な決断を意味することわざだ。古代ローマの軍人・カエサルの行動が語源になっており、ビジネスシーンや技術進歩が著しい昨今の日本にも当てはめて使うことができる。

本記事では、「ルビコン川を渡る」の意味や使い方、英語表現をまとめて解説していく。似た意味を持つ「賽は投げられた」とセットで、ぜひ理解を深めてほしい。

「ルビコン川を渡る」とは

「ルビコン川を渡る」とは、重大な決断を下すことを表すことわざである。ビジネスシーンでも活用できるため、意味と由来・語源を確認していこう。

■意味

「ルビコン川」を辞書で引くと、以下の通り、ことわざの意味も記されている。

《Rubicon》古代ローマ共和政時代に、属州ガリアとイタリアとの境をなした川。ラベンナ付近でアドリア海に注ぐフィウミチーノ川に比定される。前49年、ポンペイウスとの対決を決意したカエサルが「賽(さい)は投げられた」と叫び、元老院令を無視して渡河したという故事で知られ、重大な行動に出るたとえとして「ルビコンを渡る」と用いられる。

引用:weblio辞書/デジタル大辞泉(小学館)

結論から言うと、「ルビコン川を渡る」には重大な行動や決断をすることという意味がある。それは上記の通り、ルビコン川を渡る行動が、古代ローマの軍人であるカエサルにとっては生死を分かつほどの大きな決断だったためだ。

つまり、重大な行動・決断をすることに加え、一度選んでしまえば後戻りできないことをするといった意味も含んでいる。

ちなみに、ルビコン川を渡る際に言い放った「賽は投げられた」も、「ルビコン川を渡る」と同等の意味を持つ、カエサルが残した有名なことわざだ。ぜひセットで覚えておこう。

■由来・語源

「ルビコン川を渡る」のことわざは、先述の通り、古代ローマ時代の出来事に由来している。ちなみにルビコン川自体は、イタリア本土と属州・ガリアとの境になっていた全長30mほどの小さな川で、川としての脅威はない。

カエサルが属州の統治を任されていた軍人だったということが肝である。軍を率いてルビコン川を渡る(国境を越える)ことは、すなわち法に背くこと。それでもローマの歴史を動かすために、仲間ともども死罪を覚悟で川を渡ったことが語源とされている。

「ルビコン川を渡る」の使い方

「ルビコン川を渡る」は、死を迎え入れるほどの決断を例えたことから、重要な決断や行動もしくは引き返せないことを表すシーンで使用できる。以下では、ビジネスシーンや日常生活における例文を紹介していこう。

■例文

「ルビコン川を渡る」を使った例文は、以下の通り。

・私は今年いっぱいで今勤めている会社を辞め、起業することとなった。我ながら「ルビコン川を渡る」のことわざに匹敵する決断だと思う。

・「ルビコン川を渡る」という言葉があるけれど、慣れ親しんだ日本を離れ、海外に飛ぶといった選択は容易にできるものではない。

人類はこの数か月でもうすでにルビコン川を渡ってしまったのかもしれないのです。

3つ目の例文は、東京大学の理事・副学長が生成系AIに対する声明文を発表したことに際し、「ルビコン川を渡る」を当てはめた例だ。生成系AIが生み出した文章が出回る世の中になったが、判断の基準となる制度が整っておらず、学生のレポート提出においてやや混乱を招いている今の状況を的確に表している。

「ルビコン川を渡る」の類義語

「ルビコン川を渡る」は古代ローマに由来することわざであり、場合によっては適さない場面や伝わりにくい場面も出てくるだろう。以下では、3つの類義語を解説していく。

■「背水の陣」

「背水の陣」とは、後戻りできない・引き返せない状況を意味する言葉だ。漢の名将がわざと川を背にして陣取り、味方に覚悟を決めさせて勝利したことに由来している。法に背くことを覚悟したうえでの「ルビコン川を渡る」と同じ状況を指すと言えるだろう。

■「清水の舞台から飛び降りる」

「背水の陣」と並ぶ類義語が、日本の代表的なことわざ「清水の舞台から飛び降りる」である。山の斜面にせり出す清水寺の本堂から飛び降りるくらいの、大きな決断をして挑むといった意味を持つ。

■「一線を越える」

「一線を越える」とは、本来守るべきことを破るという意味を持つ言葉だ。男女の関係を持つことを指す時に多く使われる言葉だが、越えるべきではない境界線を越えてしまう状況全般に例えられる。

「ルビコン川を渡る」の対義語

続いて、「ルビコン川を渡る」の対義語に該当することわざを2つ紹介する。

■「転ばぬ先の杖」

「転ばぬ先の杖」とは、「失敗しないように前もって備えておくべき」という意味を持つことわざである。失敗を覚悟で挑むのとは反対なことから、「ルビコン川を渡る」の対義語と言えるだろう。

■「石橋を叩いて渡る」

「転ばぬ先の杖」の類義語である「石橋を叩いて渡る」も、対義語と言えることわざの一つ。頑丈そうに見える石橋さえ、安全性を確保するために叩いてから渡ることにかけ、非常に慎重な行動を表している。

「ルビコン川を渡る」の英語表現

「ルビコン川を渡る」は、以下の通り、直訳・意訳によって英語表現が異なる。

直訳すると「Cross the Rubicon.」になり、Cross(渡る)はPassにも置き換えられる。

引き返せないこと・重大な決断をすることを例えるなら「Burn the bridges.(橋を燃やす)」や「make a big decision.(決断をする)」と訳しても構わない。

カエサルの勇気ある決断から意味を取った「ルビコン川を渡る」

「ルビコン川を渡る」は、カエサルの行動に例えたことわざだ。生死を左右するほどの重大な決断や、後戻りできないことを意味する。

ビジネスシーンでは、今後の人生を大きく変える決断や行動を迫られる局面も多々あるだろう。日常生活に関することであれば選択はまだ自由だが、転職や自身のスキルアップの際に、ことわざの重みを体感するかもしれない。

文/shiro

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