<ロッテ1-4日本ハム>◇29日◇ZOZOマリン

日本ハム伊藤大海投手の勝負強さはマウンドだけではない。釣りの腕も一級品で、開幕前には北海道の釣り専門誌「North Angler's(ノースアングラーズ)」3・4月合併号の表紙を飾った。全身黒の“戦闘服”に身を包んだ写真と「伊藤大海 故郷の海でフルキャスト」の見出しが、躍った。

取材は昨年12月末、伊藤の故郷、北海道・鹿部町の港で行われた。担当した同誌編集部・池田仁編集長(32)は「冬の釣りは厳しい。1回で釣れないこともある。伊藤投手は忙しい方だし、釣れなかったら、過去の釣果をいただいて記事を構成しようかと、覚悟していました」。結果は3~4時間で30~35センチのアイナメを3尾ゲット。池田編集長は「かなりのハイペース。投球同様、勝負強いなと思いましたね」と話した。

得意のスタイルは「ラン&ガン」。1カ所で釣り糸を垂らしひたすら待つのではなく、1回打ち込んだら、すぐ別の場所に移動して手早く魚がいそうなエリアを探って攻める。同編集長は「投球にも共通する点はあるかもしれませんね」。時には超スローボールをまじえ翻弄(ほんろう)するなど、“釣り上げる”打者次第で巧みに攻め手を変え打ち取る姿にも、重なる。

好きなルアーは「ジャッカル社」のもの。個としても優秀だがグループになることで狩りの幅を広げ、自分より大きな動物さえも獲物にするジャッカル。独特の間、指先の器用さだけでなく、チームとして白星を“狩る”洞察力を備える“ジャッカル伊藤”が、パ・リーグの強打者を、追い詰める。【日本ハム担当=永野高輔】