日本ハム新庄剛志監督(52)が就任3年目で初の開幕白星を手にした。選手たちと同じように「ヨッシャー」と無邪気に喜び、自身初の貯金1に「最高やね」。チームにとっても20年8月28日以来、1309日ぶりの貯金生活となり「気分いいもんね。1位だもん」と笑みが絶えなかった。

7番水野、8番奈良間、9番田宮。キャンプ中から「決めていましたよ」と温めてきた“開幕下位打線”の3人が3回に連動して先取点を奪取。ずっとアピールが続いていた水野と田宮に加えて奈良間は開幕直前で2軍から呼び寄せての抜てき。「ちょっと気合が入っていなかったので、1回わざと(2軍に)落としたんですよね。そこで(奈良間が昨季プロ初本塁打を放った)小島君に合わせて連れ戻そうと心は決まっていた」。巧みなマネジメントからゲームの流れを引き寄せ、そのまま押しきった。

「努力は一生、本番は一回、チャンスは一瞬」。新庄監督が大事にする言葉だ。監督生活を当てはめると「監督のチャンスは3年だと俺は思っている。1年で(チームを)つくり上げられるものではない」。

この2年間、選手たちには一瞬のチャンスを数多く与え、勝てるチームの土台を築いてきた。「まだつくり上げられていない感はありますけど(球団が)補強してくれたことによって、それが一気に縮まった」。そう自負する就任3年目の今季は「僕を監督にしてくれた恩返し」と決意する1年。目指すは最初の20戦で16勝4敗の開幕ダッシュだ。若手も多い中で「ニューヒーローたちがノリノリで突っ走ってくれたら」。手応え十分の開幕白星となった。【木下大輔】

▼日本ハムの開幕戦勝利は19年以来5年ぶりで、新庄監督政権では初。19年は上沢が開幕投手を務め、3-3の延長10回に、中田がサヨナラ満塁弾を左中間席へたたき込んだ。以降、エスコンフィールド開幕戦だった昨年まで4連敗中だった。

○…新庄監督が有言実行のパフォーマンスで場内を大いに盛り上げた。試合開始直前。開幕前日にロッテ吉井監督に承諾を得た“ハイタッチ・メンバー表交換”を実行。吉井監督も審判団も、笑顔でハイタッチする姿に、超満員の敵地も大喝采だ。「力を合わせて野球を盛り上げていきたい」という、大局を見ている新庄監督の思いが観衆にも伝わり、開幕戦がアットホームな雰囲気で彩られた。

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