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DeNA新人・度会隆輝がいきなり3ラン 「俺ならできる」現実に

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プロ野球開幕戦 ○DeNA4―3広島●(29日・横浜スタジアム)

 昼までの嵐が過ぎ去り、大観衆の中で開幕を迎えた横浜スタジアム。「俺ならできる、自分ならできる」。心の中で唱え続けてきた言葉がDeNAのドラフト1位新人、度会隆輝を後押しした。

 1番・右翼で先発し、3点を追う三回1死一、二塁。広島の先発・九里亜蓮の初球、内角高めの変化球をフルスイングした。高く舞い上がった打球が右翼スタンド最前列に飛び込むと、両腕を、右手を、何度も突き上げて叫んだ。2打席目で出たプロ初安打は、同点3ラン。開幕戦で日本の新人選手が本塁打を記録するのはセ・リーグ6人目の快挙だ。勢いを取り戻したチームは、三浦大輔監督就任4年目で初の開幕戦勝利を飾った。

 「急がば回れ」でたどり着いた舞台だった。横浜高3年の2020年秋、ドラフト会議で指名漏れを味わった。帰宅する車の中でもしょげていると、ヤクルトの選手だった父博文さん(52)に「お前の野球人生が終わったわけでも何でもない。(社会人野球で)ENEOSにお世話になるなら、ドラフト1位で選んでもらえるくらい頑張っていくしかない」と声を掛けられた。「うん、うん」とうなずき、翌日からまた野球に没頭した。

 そこから3年間、驚異的な速さで成長を見せた。22年の都市対抗では橋戸賞(最優秀選手賞)と若獅子賞(新人賞)をダブル受賞。23年秋のドラフト1位指名、今春のオープン戦でも打率4割3分4厘で首位打者となり、開幕先発の座をつかみ取った。

 度会には技も力もある打撃に加え、重圧など一気に吹き飛ばしてしまいそうな底抜けの明るさとスター性がある。「度会のプレーを見ていると元気になると言ってもらえるように自分の全力プレーで駆け抜けたい」と語る笑顔がまぶしい。

 子どもの頃から「見られる」ことには慣れてきた。父が現役だった小学生の頃、母がトラックの荷台にホームセンターで買った材料と工具を積み込み、庭にネットを張って練習場所を作った。裏庭には父が使用するものがあったが「人に見られてプレッシャーを感じるのもいい」という両親の意向で、子供用のものは人通りがある表側に。近所の人に見守られながら、練習を重ねてきた。

 ヒーローインタビューで「最高です!」と繰り返した21歳の新星は「今日はうれしいけれどしっかりと切り替えて、また明日勝てるように全力でやりたい」と気を引き締めた。夢にまで見たプロの舞台。まばゆい輝きを放ちながら、着実に一歩目を踏み出した。【中村有花】

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