「捜索のため」 陸自が隊員の遺書を無断撮影 国が遺族に謝罪へ

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陸上自衛隊の男性隊員の遺書の取り扱いをめぐり、遺族と国との間で調停が成立したと明らかにする弁護団=仙台市青葉区で2024年3月29日午前11時7分、遠藤大志撮影
陸上自衛隊の男性隊員の遺書の取り扱いをめぐり、遺族と国との間で調停が成立したと明らかにする弁護団=仙台市青葉区で2024年3月29日午前11時7分、遠藤大志撮影

 陸上自衛隊東北方面特科連隊情報中隊に所属していた岩手県の20代男性隊員が2020年に自殺した際、部隊が遺書を遺族に無断で撮影し、内部で共有していたことが判明した。遺族の弁護団が29日、記者会見して明らかにした。今月1日、国が遺族に謝罪する内容の調停が盛岡簡裁で成立した。

 陸自岩手駐屯地(岩手県滝沢市)に勤めていた男性は20年10月5日に死亡した。弁護団によると、その直前、当時の中隊長が部下に指示し、遺族宅で了承を得ないまま男性の遺書を撮影。複数の幹部らに画像を共有したり閲覧させたりした。

 遺書の撮影について部隊側は遺族に「(男性の)捜索のため」と説明したという。遺書にはパワハラをうかがわせる内容のほか、キャッシュカードの暗証番号や預金額などの個人情報も記されていた。遺族は22年10月、プライバシー権を侵害されたなどとして国家賠償請求の調停を申し立てた。

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