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センバツ高校野球準々決勝(28日、甲子園)
○報徳学園(兵庫)4―1大阪桐蔭●
夕暮れの冷たい雨に打たれながら、マウンド上の背番号「10」は痛恨の1球を思い出していた。報徳学園の先発・今朝丸裕喜にとって、真価を発揮する時がやってきた。
2―0の六回。2死三塁で大阪桐蔭の4番・ラマル・ギービン・ラタナヤケを迎えた。世代屈指の右のスラッガーに対し、選んだのは真っ向勝負。膝元を執拗(しつよう)に攻めた。
カウント2―1から137キロの直球で押し込み、遊ゴロに仕留めた。全球が内角直球。「強い気持ちで投げた。リベンジを果たすことができた」。成長を示すには十分な4球だった。
初回こそ球が荒れたが、その裏、味方が2点を先行すると見違える投球を披露した。右、左構わず、打者の懐をめがけた140キロ台中盤の快速球が次々に捕手のミットに突き刺さる。188センチの長身から繰り出す、落差のあるフォークとのコンビネーションもさえた。
疲れの見えた八回に連打を許して1点を失うも、警戒した相手の中軸を最後まで完全に封じ込めた。「完封したかった」と本音をのぞかせたが、前回大会の準決勝に続いてライバルを撃破する殊勲者になった。
あの1球が聖地での快投につながった。昨秋の近畿大会準々決勝。同点の七回、大阪桐蔭のラマルに甘く入った直球を強振され、三遊間を抜く2点打を打たれた。
それ以来、「自分が敗因」と悔いてきた。この冬、体作りに励んで細身な体は7キロも体重が増えた。そして、最も強化したのがメンタル面だ。素材は一級品だが、時に集中力を失い、安定感を欠く悪癖があった。これこそが、エースナンバーを背負えない理由だった。だから、日ごろから「変わらないといけない」と自らに言い聞かせてきた。
大角健二監督は「いい球を投げるだけの投手でしたが、勝てる投手に成長してくれた」。大器がいよいよ、開花の時を迎え、前回あと一歩で逃した紫紺の優勝旗まであと2勝と近づいた。【長宗拓弥】
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