開幕前に先手奪った!? 阪神岡田彰布監督(66)が28日、巨人との開幕戦(東京ドーム)の前日会見で、宿敵の阿部監督に先制“口撃”を仕掛けた。26日に巨人新助っ人オドーアが電撃退団したことをいじり、21歳下のライバル指揮官をタジタジにした。一方で「巨人と阪神が引っ張っていくのが理想」と共闘も呼びかけた。「伝統の一戦」からプロ野球界を盛り上げ、球団初のセ・リーグ連覇、2年連続日本一へ突き進む。

   ◇   ◇

会見場を出た直後、岡田監督は冗談交じりにニヤリと笑った。

「ちょっと1発かましたったわ」

開幕戦の“前哨戦”。さすがの岡田節で先手を奪った。

21歳差の巨人阿部監督と並んだ開幕前日会見。相手チームの警戒ポイントを聞かれた時だった。

「今年はライバルは巨人になると思ってたんですけど、一番注意してたんは新外国人だったんですけどね。ちょっとなんか、ちょっとねえ、拍子抜けして…」

そう切り出すと、静かだった会場は笑いの渦に包まれた。

2日前、巨人新助っ人のオドーアが電撃退団したことをしっかり盛り込み、隣の阿部監督も思わず苦笑い。会見を盛り上げた先制攻撃について「え?何を? 一番の新戦力は外国人やったんやから。ほんまの話やから別に」とけむに巻いたが、根底には「伝統の一戦」への思いがある。

「そら当然やん。やっぱりな、巨人と阪神が引っ張っていくのが理想やろ」

今年球団創設90周年を迎える巨人と、来年90周年となる阪神。2球団が開幕戦でぶつかる事実に大きな意味があると受け止めた。

「この2チームが野球界を盛り上げて引っ張っていく、優勝争いをする、そういうことが含まれているのかなと。勝ち負けはつくんですけど、明日から素晴らしいゲームを」

昨年は侍ジャパンが世界一に輝いた勢いのまま、プロ野球のシーズンがスタート。今年はまた新たな流れを作り出す必要がある。

「今年は本当に0からの、明日は今年のプロ野球界を占うような日になると思う。伝統の巨人、阪神戦なので。いいゲームをして、この1年、野球界を盛り上げていけるように」

1試合の勝敗を超えるような熱い戦いを目指す。

決戦を迎える布陣には自信がある。3番から森下、大山、佐藤輝が名を連ねる見込みで、クリーンアップに生え抜き選手が並べば阪神では97年以来27年ぶり。全員がドラフト1位選手となれば初めてだ。

球団初の開幕記録から球団初のセ・リーグ連覇へ。戦う準備はできている。【磯綾乃】

【関連記事】阪神ニュース一覧はこちら―>