中高年層、学び直し「してない」8割 趣味から始めるのも一手

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街を行き交う人たち=東京都千代田区で2023年1月29日、丸山博撮影 拡大
街を行き交う人たち=東京都千代田区で2023年1月29日、丸山博撮影

 民間研究機関のパーソル総合研究所の調査によると、仕事に関する「学び直し」をしていない中高年層は8割に上ることがわかった。キャリアアップや人手不足解消につなげる手立てとして注目されているが、仕事に絡む学習となるとハードルが高いと感じる人も多い。まずは趣味の分野から始めるのも一案のようだ。

 就業中の35~64歳の男女約3万6000人を対象に、インターネットで2023年3月に実施した調査結果を分析した。

 学び直しへの意欲と実施状況について尋ねると、「仕事に関する学び直しをしている」と答えた人は14・4%で、「学び直しをしていない」人は85・6%を占めた。その内訳をみると、「学び直す意欲はなく、特に学んでいることはない」(47・5%)▽「学び直す意欲はあるが、特に学んでいることはない」(29・8%)▽「趣味の学習だけしている」(8・2%)――となった。

 調査をしたパーソル総合研究所は、このうち「趣味の学習」に着目。「学び直しの出発点になり得る」と解説している。

 趣味学習の具体的な内容は、語学やスポーツ、音楽、資産形成・運用など多岐にわたる。

 その効果を複数回答で聞くと、「人間関係が広がった」(49・1%)、「社会に参加している実感を得られた」(37・7%)といった実生活の充実を挙げる人が多い。

 一方で、「学びが将来のキャリアに生かされると思う」(36・9%)、「仕事に対するモチベーションが高まった」(36・6%)といった仕事によい影響が及んだとする意見も集まっている。

 パーソル総合研究所は、趣味を極めることで将来的に仕事や副業にしたり、身につけた学習習慣を仕事の学びに広げたりすることを提言。また企業や組織に対し「学びに趣味を含めることは、従業員の学習意欲喚起や社内活性化、仕事への思わぬ還元につながる可能性を秘めている」と助言している。【嶋田夕子】

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