娘の命奪った8.8秒間の脇見運転 事故から2年、父が伝えたいこと

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両親が事故現場の近くに建てたモニュメント。「子供たちの“笑顔の花”がいつまでも咲き続きますように」と刻まれている=名古屋市瑞穂区で2023年3月24日午前11時10分、熊谷佐和子撮影
両親が事故現場の近くに建てたモニュメント。「子供たちの“笑顔の花”がいつまでも咲き続きますように」と刻まれている=名古屋市瑞穂区で2023年3月24日午前11時10分、熊谷佐和子撮影

 「春は、私たちにとって悲しく、つらい季節です」――。

 名古屋市瑞穂区で2022年3月、下校中の女子児童2人が車にはねられ死傷した事故は今月24日で発生から2年が経過した。亡くなった小学3年の女児(当時9歳)の父親が今の心境をつづった手記を報道機関に寄せた。

 手記ではお寺から三回忌法要の案内が届いたことに触れ、「心の整理がつかぬまま、時が過ぎていくことに、やるせなさを覚えます」と苦しい胸の内を吐露。夢にいつも出てくる娘はマスク姿で泣いて見つめてくるといい、「その無言の訴えが、私の心を締め付けます。どうしたら娘の笑顔を取り戻せるのか」と悩みを打ち明ける。

 22年11月の名古屋地裁判決は、当時51歳の会社員男性が運転中、切った爪をゴミ箱に捨てることに気をとられ約8・8秒間にわたって脇見運転をしたと認定した。父親は手記で「8・8秒間の脇見が、娘の『行ってきます』を永遠の別れに変えました。『ただいま』という娘の声をもう一度聞くことができたら、どんなに幸せか」、「交通事故は、あまりにも容易に、かけがえのない『日常』を奪ってしまいます。交通ルールを守り、人…

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