誰でも小惑星の発見者に アプリCOIASにみる市民天文学の底力

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すばる望遠鏡と満天の星=国立天文台提供
すばる望遠鏡と満天の星=国立天文台提供

 世界最高水準の望遠鏡で広い宇宙を観測し、未知の天体を見つけ出す――。その道の専門家しかできなかった本格的な天体探しを、誰もが気軽に楽しめるアプリが開発された。公開から半年あまりで続々と成果を上げ、「市民天文学」の底力を発揮している。

宇宙少年も挑戦

 「すばる望遠鏡の観測データは見たことがなかった。とても暗い星まで映っていてすごい」。4月から中学1年になる岡山市の沖本正太郎さん(12)は、ウェブアプリ「COIAS(コイアス)」の操作画面を初めて見た時の感激をそう振り返る。

 画面に映るのは、米ハワイにある国立天文台すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「HSC(ハイパー・シュプリーム・カム)」が2014~22年に延べ278夜にわたり撮影した星空の一部だ。

 HSCは8億7000万画素、満月9個分を一度に観測可能な視野の広さを誇る最高性能のカメラだ。これで撮影できる光は、実際は肉眼ではもちろん、普通の天体望遠鏡でもとらえられないほど暗い。つまり、それほど小さかったり遠かったりして、過去に見逃されてきた未知の天体である可能性が高いのだ。

天体かノイズか

 COIASには、HSCの公開画像から37万枚がダウンロードされている。探すのは…

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