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引っ込み思案だった芳根京子さんが俳優生活10年の軌跡でたどり着いた答え

2024.03.23

意志の強い表情の中にあどけなさが潜む26歳。芸歴の長さに驚く人も多いだろう。キャリアを重ねてきた彼女が抱く〝働くうえでの主義=ハタラキズム〟とは?

芳根京子俳優  芳根京子

よしね・きょうこ/1997年生まれ、東京都出身。2013年にフジテレビ系ドラマ『ラスト・シンデレラ』で女優デビュー、2015年にはTBS系ドラマ『表参道高校合唱部!』にて初主演を務める。その後、NHK 連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロイン役に抜擢。映画『累 -かさね-』『散り椿』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

引っ込み思案な少女が突然飛び込んだ表舞台の世界

 去年、デビュー10周年を迎えた芳根京子さん。俳優の仕事は「まさかこの世界に飛び込むとは思わなかった」意外な分野だった。

「子供の頃はとにかく目立たないように過ごしていたし、学芸会では極力セリフが少ない役を選んでいました(笑)」

 そんな彼女が芸能界のスカウトを受けたのは、高校1年生の頃。

「まだ高校生だったので、部活感覚のようなスタートでしたね。オーディションに落ちたらそれっきりの世界で、たまに受かっても手ごたえを感じられませんでした。それである時、マネージャーさんに『オーディションに落ちて悔しくないの?』と活を入れられて、スイッチが入りました。負けず嫌いな私の本性を見抜いていた恩人です。その後は120%の力でオーディションに挑んで、もしダメでも悔いがないようにしています」

 それから朝ドラ主演に大抜擢され、日本アカデミー賞では新人俳優賞を受賞。今や全国民に愛される実力派俳優としてキャリアを着実に重ねている。

芳根京子

「私、この仕事に向いてない」逃げ出したくなった瞬間

 順風満帆に見える俳優人生だが、「辞めよう」と思ったこともあった。

「昔のネガティブな自分が出てきて、この仕事に向いてないと思った時もありました。辞めたいというより、もう辞めようって。だけど、すてきな作品や人に出会えた時、『もっとがんばりたい』と思い乗り越えてきました」

 とはいえ「辞めたい」という気持ちは否定しない。10年間でこんな答えにたどり着いた。

「友達に『仕事を辞めたい』と相談された時は、『いいんじゃない?』と背中を押しました。私はたまたまお芝居が好きで続けられているけど、そうじゃない人もたくさんいる。自分の心身が健康じゃなくなるような仕事だったら、辞めてもいいと思うんです。始めたことを続けなきゃいけないルールもないし、そもそも辞めることは逃げじゃない。私もまだ26歳なので、知らない世界がたくさんあるけれど、いつまでも心と体が健康のまま、今の仕事を続けられたらいいな」

芳根京子

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