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リスキリングに対する意識、20~30代は自分を高めることへの期待が強く、40~50代は不満が大きく期待感も少ない

2024.03.22

ベネッセコーポレーションは、日本においてリスキリングが抱える本質的な課題解決を目的とした「リスキリングに関する生活者理解のためのインサイト調査」を実施。結果をグラフと図表にまとめて発表した。

リスキリングに対する2つの課題

調査は最初に「学び」に関するポジティブな体験価値から相対的に見た隠れた不満や、未充足を抽出する定性調査を実施。次に不満や未充足に対する共感度と、それらを満たすために提供するべき新しい価値提案への魅力度、および現状感じている未充足度を定量調査で検証している。

この定性調査では、リスキリングのイメージとしてネガティブな意見が半数以上見られた。

特に、強制・押し付けられるものといったようなコメントのほか、これまでの人生についての不安や自信のなさ、自己否定や受け身な人生についてのコメントも半数以上あり、個人が大人の学びに対して持つ課題として、以下の2つが抽出された。

(1) 自己肯定感が低く、自分の人生への主体性がないこと

本調査結果では、自己肯定感が低い傾向にある方が多く、自分の人生に対して主体性が持てず、流れに身を任せる生き方をしてきた人が多く見受けられた。

スキルを獲得して新たな道を切り開く以前に、自分の現在地が見えていない状況の人が、一定数いることがわかった。

(2) リスキリング=押し付けられるだけの終わらないタスク

リスキリングを「クラス全員参加のリレーのような強迫観念」「永遠に走らされているシャトルラン」と表現する回答もみられ、過去の肯定もなければ、未来への期待や可能性も感じられないものと感じている人が多いことも判明。

これは、「現在学んでいる」と回答した方でも、同様のイメージを持っていた。

上記の個人の学びに関するインサイトをもとに、企業や組織としても、個々人に合ったリスキリング推進のコミュニケーションの検討が必要ということが考えられる。

性別によるリスキリングへの認識差

※バリュープロポジション(VP):リスキリングに期待すること(提供価値)
※未充足度:各バリューがどの程度、今の「リスキリング」や、「リスキリング」に関するサービス全般で充たされていないと感じるか。

リスキリングへの期待や現状リスキリングに感じている未充足から、本調査では男性の回答者は周囲や自分の意識転換に関心があり、女性は自分の人生そのものへの関心が強い傾向があることがわかった。

また、特に女性の回答者が、現状のリスキリングに対する不満が大きいという結果が得られた。

男性と女性で「リスキリングに期待すること」への魅力度の差が5ポイント以上だったもの:
(2)「自分らしい人生(男性62.5%、女性67.3%)」(5)「職場環境を変革する力(男性54%、女性49.5%)」(6)「人生を挽回することを優しく支援(男性57%、女性66.8%)」(7)「人生をやり直す再チャレンジ(男性58.8%、女性66.5%)」(8)「失敗からの前向きな学び(男性61.5%、女性54.3%)

年代別の意識格差

※バリュープロポジション(VP):リスキリングに期待すること(提供価値)
※未充足度:各バリューがどの程度、今の「リスキリング」や、「リスキリング」に関するサービス全般で充たされていないと感じるか。

年代ごとの「リスキリングに期待すること」については、20~30代は40~50代と比べて平均9.3ポイント高く、リスキリングへの前向きな意識が明らかになった。

20~30代は自分を高めることへの関心が強い一方、40~50代はリスキリングへの不満が大きく、期待感も少ないという傾向が見られた。傾向の違いの理由としては、ライフステージや働き方に対する意識の違いが考えられる。

一般的に40~50代は、日々の生活が忙しいだけでなく、管理職を担うなど、仕事の責任も重い方が多い年代だ。この層は就職氷河期を経験し、社会に適応しようとした結果、疲れを感じていたり、過去の自分を否定されたくないという気持ちを持つ傾向があり、リスキリングをして自分を変えることに対して抵抗感が見られた。

一方で、企業は40~50代のリスキリングを重要視しており、このギャップが大きな課題となっている。

学びのモチベーションごとに8タイプを設定

ベネッセは、大人の学びの推進には、学び対する外発的動機付けだけでなく、個人の内発的動機付けも重要だと考えている。

また、人材育成投資と生産性の関係性には、特定のスキル・能力の育成だけでなく、従業員の価値観、感情・態度への働きかけが重要であることが示唆されていることから、本調査から見えた多様な価値観や感情を基に、個人が持つ「学びのモチベーション」を8タイプに定義。タイプに合わせたリスキリングへの期待を設定しした。

8タイプを設定するにあたり、特徴的なインサイトをマッピングして傾向を分類した結果、縦軸は「自分を肯定するための方法」、横軸は「大切にする視点」と設定した。

縦軸:「ポジティブなモチベーション」と「ネガティブからポジティブへ変換するモチベーション」
横軸:「自己肯定や納得感」と「他者貢献や独自性」

■学びのモチベーション8タイプ

調査概要
「リスキリングに関する生活者理解のためのインサイト調査」
対象/18~59歳の男女400名(定性)、20~59歳の男女800名(定量)
期間/2023年9月22日~28日(定性)、2023年11月2日~6日(定量)
方法/インターネット調査(定性・定量)

「社会人の学びに関する意識調査2023」
対象/全国18~64歳の男女(学生を除く)、39,998名
期間/2023年2月7日~2月9日
方法/インターネット調査

関連情報
https://ufb.benesse.co.jp/ebooks/insightresearch2024.html

構成/清水眞希

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