坂本龍一が音楽監督を務めた東北ユースオーケストラのベストアルバム発売、オーケストラとの歩みをまとめた映像公開も

アーティスト

東北ユースオーケストラと坂本龍一

坂本龍一が音楽監督を務めた、東北ユースオーケストラ初のコンサート作品集「The Best of Tohoku Youth Orchestra 2013~2023」が3月20日に発売された。東北ユースオーケストラは、東日本大震災直後に坂本龍一監督の呼びかけで始まった、学校の楽器の点検・修理のプロジェクト「こどもの音楽再生基金」から生まれ、その後の宮城県松島町にて開催された東北と世界をつなぐ音楽祭「Lucerne Festival ARK NOVA 松島 2013」をきっかけに企画・編成されたオーケストラ。楽団員は、東日本大震災の被災三県(岩手県・宮城県・福島県)を中心に、ふだんは異なる組織で演奏をしている小学校・中学校・高等学校・大学の子どもたちが、プログラム(演奏)ごとに楽団編成を変えながら活動している。

歴代の団員による演奏から選曲された本アルバム1曲目は、YMO楽曲として人気を誇る「Behind the Mask」ほか、大友良英も参加した楽曲、そして「ラストエンペラー」のテーマや「戦場のメリークリスマス」の「Merry Christmas Mr. Lawrence」など不朽の映画音楽を収録。吉永小百合主演の「母と暮せば」関連楽曲では吉永本人が、「Still Life」ではのんが、東北にゆかりのある詩人の作品を朗読する。今回初音源化収録となる、坂本龍一書き下ろしの「いま時間が傾いて」も収録されている。

アルバム収録の「Behind the Mask」「The Last Emperor」「弥勒世果報(みるくゆがふ)- undercooled」「Etude」「Merry Christmas Mr. Lawrence」が視聴できる映像がcommmons公式YouTubeチャンネルより公開された。坂本龍一とユースオーケストラのメンバーとの交流写真とともに歩みを振り返っている。

発売にともなって、CDブックレットに入りきらなかった写真や活動年表などのアーカイブを、別冊ブックレットとしてウェブ上で公開。印刷用(zip)には、印刷時のガイドも含まれており、プリントアウトも可能だ。

なお、アルバムの売り上げは東北ユースオーケストラを続けるための活動資金となる。

東北ユースオーケストラ公式サイトより坂本龍一コメント

2011年に設立した「こどもの音楽再生基金」をきっかけとして、東北の子供たちと音楽を通じて接する機会を得、3年間の基金の活動が終わった後もお互いに分かれ難く、せっかく知り合って何かを築いてきたのだから、もっと発展させたいねという気持ちをもって「東北ユースオーケストラ」は始まりました。

東北のために何かしたいという、大人の勝手な善意の押しつけではないかと危惧した面もありますが、団員を募集したところ100名を超える子供たちが手をあげてくれました。その一人一人の応募動機を読むと、やはり震災が大きく彼らの胸に痛みとして残っており、また同時に音楽をすることでその傷を癒し、乗り越えようとしていることに強く心を動かされざるをえません。

どうか今後末長く「東北ユースオーケストラ」を支えていただけますよう、お願いいたします。

関連タグ

関連タグはありません

オススメ