女優伊藤沙莉(29)が21日、都内で行われた主演を務める24年前期のNHK連続テレビ小説「虎に翼」(4月1日開始)の会見に出席した。

朝ドラ110作目で、日本初の女性弁護士で後に裁判官となる三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんの半生を再構成してフィクションとして描く作品。伊藤は主人公の猪爪寅子(ともこ)役を演じる。脚本は吉田恵里香氏が担う。「虎に翼」は中国の法家「韓非子」の言葉で「強いものの上にさらに強さが加わる」という意味。

伊藤は第1週目をすでに確認したといい「すごくテンポよく、猪爪家の楽しい雰囲気も伝わってすごく気持ちの良いスタートが切れたんじゃないかなと思いました。2週目に向けて続きが気になるなと思っていただけるものになっているんじゃないかなと思います。1週目を見て今後が楽しみだなと思えたので、すごくうれしかったです」と語った。

寅子の母親役を務める石田ゆり子(54)は「とても素晴らしいドラマです。(主人公の)寅ちゃんがとってもチャーミングで、彼女のお母さん役ができることがとても幸せなことだなと思いました。法律がテーマの朝ドラマはそうそうないですよね。何だかすごく新鮮な切り口で、いろんな方に楽しんでいただけると思います」と自信を込めた。

現場について「ご飯がものすごくおいしいんですよ」とも語り「盛りつけもおいしい感じで、その時間を何度も共にしているうちに本当の家族のようになったなという気持ちがあります。撮影が終わるとみんな真面目にそのご飯を食べるというのが毎回続いていました」と明かした。

寅子の父親役を務める岡部たかし(51)も作品について「冒頭から引き込まれました」と語り「アドリブで作っていったところもあるんですけど、(演者らが)すごく応えてくれる。カットされても生きていても、僕らがいい雰囲気になっていくには大事なことだなと思っています」と話した。

★「虎に翼」あらすじ

昭和のはじめ、日本初の女性専門に法律を教える学校ができる。そこへ集ったのは、当時の日本のどこにも収まれない、あふれ出す何かを抱えた女性たちだった。主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)も、そんな収まれない女性。周囲から“魔女部”と陰口をたたかれた女性だけの学びやで、彼女たちは自らの道を切り開くため法律を学ぶ。

昭和13年(1938)、卒業生から日本初の女性弁護士が誕生する。寅子もその1人として日本中から注目され、憧れの的に。しかし、弁護士として意気揚々と世に出た彼女たちを待ち受けていたのは、戦争へと突き進んでいく日本だった。法学という社会に羽ばたく翼を得たはずが、それを使える場は急速に消えてしまう。

昭和20年(1945)、焼け野原に立つ寅子は全てを失った。明日生きるため頼れるのは、かつて学んだ法律だけ。彼女は裁判官になることを決意。戦争で親を亡くした子どもや苦境に立たされた女性たちのため、家庭裁判所の設立に奔走することになる。

そして、寅子はついに裁判官となる。彼女とその仲間たちは、政治でも経済でも解決できない、追いつめられた人々の半径5メートルの世界を見つめ、その苦境から救うため情熱を持って向き合っていく。